子宮頸がん検診はどのくらい費用がかかるの?
- 作成:2015/10/26
子宮頸がんは、症状が無い段階でも検診で発見できる病気です。さらに早い段階で発見できれば治癒しやすいため、20歳以上の女性は2年に1度の検診が推奨されています。今回は検診の費用についてご紹介します。
この記事の目安時間は3分です
子宮頸がん検診とは?
子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部(けいぶ)という部分にできるがんです。子宮がんには子宮内膜にできる子宮体がんもありますが、約7割がこの子宮頸がんです。子宮頸がんは他のがんとは違い、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウィルスに長い間感染することでがんになると考えられています。
HPVに感染することで、子宮頸部の組織にがんに進行する可能性がある細胞が増えていきます。これを異形成(いけいせい)といいます。HPVに感染しても、ほとんどが免疫の力で消失しますけれど、ごく一部の人で進行して上皮内がんになります。HPVは性交渉で感染することがわかっています。HPVは日常的に存在しているウイルスで、性交渉の経験がある女性の約80%が一度は感染するといわれています。感染しただけでは自覚症状はありません。
子宮頸がんは20代の後半から30代後半という若い世代でもなりやすいがんのため、20歳からの検診が推奨されています。定期的に検診を受けることによって、がんになる前の異形成の段階で見つけることが可能です。早い段階で発見できれば、他のがんに比べて治療しやすいがんとされています。
どのような検査をするの?
子宮頸がん検診では、問診(もんしん)、内診(ないしん)、細胞診(さいぼうしん)の3つを行います。
問診は生理の様子や痛み、妊娠歴などについて記入した後、診察室で医師からの質問に答えます。
次に内診が行われます。内診は触診と腟鏡(ちつきょう)という器具を使い子宮頸部を観察する視診があります。触診で子宮筋腫や卵巣囊腫が見つかることもあります。おりものの状態や、炎症があるかどうかなどについても観察されます。
その後は細胞診にうつります。ブラシやヘラなどの器具で子宮頸部をこすり、細胞をとります。その際、痛みは伴いません。かつては、採取された細胞はそのままスライドグラスに塗りつけられて染色され顕微鏡で観察されていたのですけれど、最近では液状化細胞診が導入されているので、より正確な診断が行えるようになっています。内診の際には、経腟超音波検査が同時に行われることもありますけれど、この時点で子宮筋腫や卵巣の異常が発見されることもあります。
検診で異常が見つかった場合には、精密検査を行います。精密検査では腟拡大鏡(ちつかくだいきょう:コルポスコープとも呼ぶ)という器械を使い、子宮腟部を拡大して観察します。この際には、酢酸加工を行い、異常と思われる部分から組織を採取して病理検査に提出します。組織採取の際も、痛みはほとんど伴いませんけれど、傷から出血することがありますので注意する必要があります。
検診の費用はいくらかかるか?
検査の費用は、職場の検診や自治体の住民検診など、どのように受診するかによって異なります。自治体の検診でも費用を補助してもらえますが、補助額は自治体ごとに別々に設定されています。住民検診を無料で受けられるクーポンが発行されることもありますので、ぜひ活用しましょう。
費用が発生する場合でも、1,000円~2,000円ほどで検診を受けられます。ただ、個人で受診する自費検診の場合は3500円~6000円ほどかかります。尚、精密検査の場合には、健康保険適用があります。
どこで検診を受けられるの?
子宮頸がんの検診を受けられる場所は、費用と同様どのように受診するかによって異なります。
住んでいる自治体の住民検診を受ける場合は、クーポンや受診券が届く場合がありますので、そこに検診を受ける施設が記載されています。どこで受けられるのかが分からない場合には、自治体の保健所や保健センターに問い合わせましょう。
また、会社などの健康診断で検診を受けられる場合もあります。ほかには、奥さんが主婦で旦那さんの健康保険証を使っている場合は、旦那さんの会社が奥さんを対象とした検診を行っている場合があります。この場合は旦那さんの健康保険組合にどこで検診を受けられるか確認しましょう。
子宮頸がん検診は、治療が可能な早い段階で発見のするために必要な検診です。今回は検診にかかる費用についてご紹介いたしましたが、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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