子宮頸がん検査やワクチンの費用はいくら?
- 作成:2016/09/12
子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんで、1万円以下で検査が可能です。痛みもなく簡単にできる検査である点に加え、自治体の補助が出ているケースもあります。子宮頸がんは、転移すると非常に危険ながんですので、早期発見、早期治療が重要になります。
この記事の目安時間は3分です
子宮頸がんと子宮体がんの違い
子宮頸がんと子宮体がんの一番の違いはその部位にあります。
子宮頸がんは子宮頸部、つまり子宮と腟の境目付近にできるがんです。一方、子宮体がんは子宮の奥まったできる部分にできるがんであり、それぞれ症状も少々異なってきますし、検査方法も違ってきます。子宮頸がんは性交を通してヒトパピローマウイルスに感染することが原因でできることが多く、性交経験があれば、体質や年齢層に関わらず発生します。
子宮体がんは、女性ホルモンの「エストロゲン」が関与するものと関与しないものに大きく分けられます。前者を「タイプ1」、後者を「タイプ2」とよびます。エストロゲンは卵巣で作られ、子宮内膜を厚くすることで受精卵が着床しやすい状態にします。妊娠が成立しなければはがれて生理が始まります。何らかの原因でエストロゲンが長期的、持続的に子宮内膜に作用すると、子宮内膜が厚くなり「子宮内膜異形増殖症」(子宮内膜が異常に多くなること)となり、その一部が子宮体がんになると考えられています。子宮体がんは肥満や高血圧などが原因なることがあり、閉経後の女性にやや多い傾向です。
症状の違いで言うと、子宮頸がんでは、性器からの不正出血や痛みがすぐには出ないため発見が遅れがちなのに対し、子宮体がんは、性器からの不正出血が起こることが多いことから早期発見ができるケースが多いです。また、子宮頸がんが進行すると、性交時に出血をしたりすることがある(「接触出血」と呼びます)ので、それをきっかけに発見されることもあります。
部位や症状に違いはありますが、どちらも女性がかかるがんでは、乳がんに次いで多いがんであり、発見が遅れて転移などが進むと非常に危険です。
血液検査での発見はまれな子宮頸がん
子宮頸がんを引き起こすと呼ばれているのがHPV(ヒトパピローマウイルス)です。これは、性行為などによって他人に感染するウイルスであり、粘膜などに取り付いて繁殖すると、がんを抑えこむ遺伝子を破壊するため、ウイルスが感染した部位でがんが発生しやすくなります。
HPVウイルスの特徴としては、エイズの原因となるHIVというウイルスと違って、血液検査で発見することはできません。また、HPVウイルスが必ずがんを引き起こすわけでもなく、ほとんどのケースで自然に排出されてしまうので、ウイルスが見つかったからといってすぐに治療が必要になるわけでもありません。
ほぼ2000円以下 痛みなく、簡単に検査可能
子宮頸がんの検査は極めてシンプルで、簡単な問診の後に、子宮頸部を鏡でみて、炎症などが無いか確認し、子宮頸部の細胞のサンプルを取って検査するだけです。細胞のサンプルと取ると言っても、小さなブラシで子宮頸部をこするだけですので痛みなどもなくすぐに終わります。
要するに、がんが発生していないか目で確認し、取ったサンプルの中にがん細胞が無いかを確認するのです。体の奥深くにがんができるような他のがんとは違ってサンプル採取が容易なため、早期発見が可能な数少ないがんだといえます。
これだけの検査であれば、価格は2000円以下になることがほとんどで、自治体によっては助成金も出るのでほとんど無料になることもあります。気になる方は、自治体のウェブサイトでチェックしてみると良いでしょう。
リスクを考えて、ワクチン接種を考えましょう
子宮頸がんはHPVというウイルスが原因になってがんになるので、ウイルス感染を予防することでがんになることを防ぐことが出来ます。つまり、子宮頸がんはワクチン接種で防げるのです。ただ、HPVウイルスには多くの種類があるので、ワクチンが効かない種類のHPVウイルスには効果がありません。とはいえ、ワクチンが効く種類のHPVウイルスには高い効果を発揮します。
また、このワクチンは一回の摂取で大体1万6千円程度ですが、3回摂取する必要があるので実質的には5万円程度になります。少し高い印象を受けるかもしれませんが、小学校6年から高校1年の定期接種の対象年齢内であれば補助金が出るので、より安い値段でワクチンを摂取する事ができるようになります。
しかし、ワクチンを接種したのちに副作用と考えられるケースが重なったことで、ポスターなどを通じてワクチン摂取を呼びかけるような積極的勧奨が中止になっています。ワクチン接種が禁止されているわけではありませんので、副反応(ワクチンの場合、副作用の言葉は正確ではありません)のリスクをしっかりと理解した上で、ワクチン接種を受けるか決めてください。
若い女性も罹患する子宮頸がんについて、検査費用などをご紹介しました。もしかして子宮頸がんかもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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