子宮頸がん検査結果の見方 ASC-USって何?
- 作成:2015/09/28
子宮頸がんは、症状が無い段階でも検査(検診といいます)によって発見できる病気です。検診結果は大きく3つに分けられ、疑いの有無以外に、「ASC-US」という「軽いの疑い」という結果もありますので、検査結果次第では、医師と相談するようにしましょう。
この記事の目安時間は3分です
子宮頸がんとは?
子宮頸がんとは、子宮の入り口付近の頸部(けいぶ)と呼ばれる場所ににできるがんのことです。子宮がんには、この子宮頸がんと子宮の袋の部分(子宮体部)にできる子宮体がんの2種類があります。なお、子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに長い間感染することでがんになると考えられています。このヒトパピローマウイルスは性行為(セックス)で感染することが知られています。
日本の子宮頸がんの患者さんは年間約10,000人で、さらに年間3,000人が亡くなっていると報告されています。最近では特に20歳〜39歳の若い年代で患者さんが増えています。
子宮頸がんは初期の段階ではほとんど自覚する症状はありませんが、生理ではないのに出血する、性行為(セックス)の後に出血する、おりものが増えるなどの症状がでることがあります。また、さらにがんが進行すると、血の混じった尿(血尿)や足腰の痛みが出る場合もあります。
なぜ検診を受けなければいけないの?
子宮頸部の細胞に異常がない女性のうち、10〜20%程度の方がヒトパピローマウイルス(HPV)に感染していると報告されています。このウイルスは性行為で感染するため、複数の異性と性的関係を持っていたパートナーと性行為をすることで、知らず知らずのうちにウイルスに感染している可能性があります。また、感染しても自然に治ったり、また感染したりということを繰り返していることも多いのです。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が長期間続くと、細胞に異常を起こし異形成という状態が起こります。異形成が進んでいくと、初期がんである子宮頸部上皮内がんになります。
子宮頸がんは、他のがんと同様に発見される時期が遅いと治療するのが難しくなります。しかし、早期に発見できれば、他のがんに比べて治りやすいがんとされています。
また、検診を受けることで異形成あるいは上皮内がんの時点で発見できれば、子宮を残すこともできます。そのため、20歳以上の女性は、2年に1回の頻度で子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。
検査方法について
一般的な子宮頸がん検診では、問診(もんしん)、内診(ないしん)、細胞診(さいぼうしん)の3つを行います。
まず問診では、生理の周期・最近での生理の様子・生理痛の有無・出血量など、月経、その他出産歴や閉経の年齢について尋ねられます。直接、医師によってより詳しい質問を受けることもあります。
次に内診です。内診は触診(しょくしん)と視診(ししん)があります。触診では、内診指によって子宮の大きさや卵巣や卵管といった子宮付属器の状態を観察します。視診では、腟鏡という器具を使って子宮の一番下の部分すなわち子宮腟部を観察します。
続いて細胞診を行いますけれど、これはブラシやヘラ、または綿棒のようなもので子宮腟部の細胞をこするものです。通常は、数分で終わる検査です。追加で経腟超音波検査(エコー検査)を行うこともありますが、こちらも短時間で終わります。
検診結果の見方
検診結果は、かつてはクラス分類を行っていましたけれど、現在はベセスダシステムにより、大きく分けて3つの結果に分類されます。陰性(−)の結果が出た人は、細胞に異常が見られません。1〜2年後に検診を受けましょう。陽性(+)の結果が出た人は、細胞に異形成やがんを疑う異常が見られるので、精密検査を受ける必要があります。
ほかにASC-USという結果が出ることがあります。これは簡単にいうと軽度病変の疑いということで、細胞診だけでは明確な判断ができない状態です。ASC-USの場合、6か月後の再検査か、HPV検査を受けることで高リスク型のHPVが存在しているかどうかを調べるという選択肢がありますので、医師とご相談いただきたいと思います。
子宮頸がんは2年に1回の検診が推奨されていますので、検診結果は何度も見る機会があります。結果を見てもどのように判断したらよいか分からない、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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