再発した子宮頸がんの症状
- 作成:2015/10/26
子宮頸がんを治療しても、時間がたつと再度がんが大きくなることがあります。これを再発といいます。今回は、がんが再発するとはどういうことなのか、再発した場合にはどのような症状が出るのかについて解説します。
この記事の目安時間は3分です
子宮頸がんの再発とは何か?
がん治療では、手術や抗がん剤治療などで目に見える大きさのがんがなくなった状態を寛解(かんかい)といいます。しかし、寛解になっても目で確認できない程度の小さいがんが残っていると、時間とともにがんが大きくなり、再び目に見えるほどのがんが現れることがあります。これが再発がんです。
再発がんは、最初にがんが現れた原発巣(げんぱつそう)だけでなく、他のところにできることもあります。子宮頸がんの場合、子宮を含め骨盤内の臓器やリンパ節にがんがある局所再発(きょくしょさいはつ)と、がん細胞が血液やリンパの流れとともに移動し、最初にがんができた場所から離れた肺や肝臓などの遠隔臓器に転移する遠隔転移再発があります。
再発がんの場合には、がんの広がり方、再発した時期や過去の治療法などを考慮して、患者さんの状態に合わせた治療法を行います。
局所再発すると起きやすい症状
局所再発した子宮頸がんの場合、最初にがんができた子宮頸部や子宮を切除したあとの腟の端にがんがみられるだけでなく、子宮体部、卵巣、靭帯、下部結腸、直腸、膀胱など骨盤内の臓器やリンパ節にもがんが確認できることがあります。
主な症状は、不正出血やおりものの異常などに加え、腸や膀胱などにがんができるとがん細胞が周囲を圧迫するため、腹痛、血尿、血便などがみられることもあります。さらにがんが進行すると、痛み、吐き気、だるさ、食欲不振、便秘、体重減少などの症状だけでなく、再発による気分の落ち込みなど心の不調が現れることも少なくありません。
一度がんが見つかると、寛解した後も再発する可能性があります。したがいまして、治療後も定期的に検査をして、がんの再発が見つかった場合には早めに治療を始めることが大切です。
転移すると起きやすい症状
子宮頸がんに限らず、最初にがんができた原発巣のがん細胞を取り除いても、血液やリンパの流れに乗って他の臓器にがんが転移していることがあります。これが転移がんです。転移がんは、胃や肺など遠くの臓器だけでなく、ときには脳や骨にまで転移していることもあります。
転移がんによる症状は、がんが転移した場所によって異なります。肺に転移している場合には息苦しさや血痰などが現れやすく、骨に転移している場合には体に痛みが続くことがあります。さらにがんが進行すると、再発がんと同様に吐き気、だるさ、食欲不振、体重減少などの症状だけでなく、がんの進行による気分の落ち込みなど心の不調がみられることもあります。
ただし、以前のがんと関係がなく初めてその場所にできた原発性がんであるか、転移がんであるかを見分けるのは難しいことがあります。そのような場合には、がんの組織型を調べることで、原発性がんなのか転移がんであるかが診断されることがあります。原発臓器がどこであるのか、組織型がどのようなものであるのかによって、治療法が違ってくることがあります。一度がんにかかったことがある人は、定期的に転移の有無に関して検査を行うことが重要です。
再発した場合の治療法について
子宮頸がんが再発した場合、がんが手術で取り除ける範囲であれば手術を行い、その後手術で取り除けないほどの小さながんの根治(こんち)を目指して、放射線治療や抗がん剤を使った化学療法を行うことがあります。また、がんが子宮以外に広がり、下部結腸、直腸、膀胱を取り除く骨盤除臓術を行う場合は、摘出手術で失われた機能を補うため人工肛門や人工的に尿路を再建する回腸導管(かいちょうどうかん)などの手術が必要になります。
ただし、遠くの臓器に転移している場合やがんが複数箇所にあり手術で完全に取り除くことができない場合には、基本的に抗がん剤治療を行います。抗がん剤治療では吐き気や食欲不振などの副作用が起こることもあるため、吐き気止めなどの薬も合わせて使います。
また、痛みや吐き気などの症状がつらいときは、我慢するとさらに体力が低下してしまうことがあります。症状を和らげる緩和ケアもありますので、無理をされずに医師にご相談いただくのがよろしいでしょう。
子宮頸がんは、早期に発見できれば他のがんに比べて治療しやすいとされています。今回は子宮頸がんの再発について紹介しましたが、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に相談してみませんか?
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