子宮頸がんの初期症状“不正出血”
- 作成:2015/09/28
子宮がんの1つである子宮頸(しきゅうけい)がんは、子宮がんのうち約7割を占めています。子宮頸がんは初期には自覚症状がほとんどありませんが、異変に気づく一つのサインとして出血があります。
この記事の目安時間は3分です
子宮頸がんと不正出血
子宮頸がんは、性交渉で感染したヒトパピローマウィルスの感染が持続すると起こると言われています。ヒトパピローマウィルスに感染しても、自然に治ってしまう人もいれば、気付かないうちに進行してがんになってしまう人もいます。実際に感染した人の90%が2年以内に治ります。
子宮頸がんが比較的若い女性(20〜40歳台)に発生するがんのため、早い時期から区や市などの各自治体により頸がん検診が推奨されています。以前よりも発症年齢のピークが下がり、30歳台後半になっています。
子宮頸がんは自覚症状が出ないことも多く、検診を受けることが大切です。子宮頸がんの初期症状として有名なものは不正出血(ふせいしゅっけつ)です。不正出血とは、毎月の月経とは関係なく膣から出血することです。月経と重なってしまい、分かりにくくなることもあります。
ヒトパピローマウィルスが持続的に感染すると、子宮頸部の組織が炎症を起こして癌へ進行するために出血しやすくなります。普通に過ごしていて不正出血をすることもあれば、性交後などの接触により不正出血を自覚することもあります。全く不正出血に気づかない人もいるため注意が必要です。
出血量はどのくらい?
子宮頸がんによる出血量は人それぞれです。初期には、トイレットペーパーが薄くピンクになるくらいの量や気付かないくらい少量の不正出血のことも多いです。下着に少し出血が付くくらいの症状の人もいれば、月経が始まったかと思うくらい出血する人もいます。おりものに血が混じったり、茶色っぽいおりもので気付くこともあります。また、月経周期に不正出血が重なってしまうと月経による出血かどうかわからないこともあります。
月経不順と判断が難しいケースも
子宮頸がんの症状として、月経異常が起こることがあります。具体的には、月経の時の経血の量が増えたり、月経がなかなか終わらないという症状です。月経時には出血するのが当たり前だと考えているので、子宮頸がんの症状と気づかない人も多いです。
また、もともと月経不順があったり、閉経前で月経が不規則になっている方も子宮頸がんによる症状か月経不順か判断が難しいこともあります。以前と比べて月経日数が延長していたり、経血量の増加や月経不順があると感じた時には早めに産婦人科を受診した方が良いでしょう。
不正出血したら速やかに専門医へ
子宮頸がんは早期に発見し、早期に治療をするとその後長く生きられる可能性があります。しかし、進行してしまった状態で見つかると子宮を全て取らなくてはいけないだけでなく、血管やリンパ節を介して他の臓器にまで転移してしまい命に関わることもあります。
最初に述べたように、子宮頸がんは若い女性に多いので妊娠出産・育児など様々なイベントがある時期に闘病しなくてはいけないのはとても辛いですし大変です。例えば早期に子宮頸がんが見つかれば、レーザー治療や子宮の頸部だけ切除する手術(円錐切除術)で済むことがあります。そうすれば子宮を温存できるので妊娠出産が可能です。
2年に1回の定期的な子宮頸がん検診に加えて、不正出血や月経異常などの異常を感じたらすぐに産婦人科を受診するようにしましょう。
子宮頸がんの初期症状のひとつである、不正出血について解説しました。生理でもないのに出血があり不安に思っている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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