不正出血の原因 茶色、少量、鮮血で違う?要治療はどれ?

  • 作成:2015/12/07

不正出血と一言でいっても、出血の仕方や色などで多様なパターンがあります。重大な病気が隠れている可能性もあります。「いつもと少し違うだけ」といって、放置せずに、自分の状況を確認して、不安ならば、早めに医師に相談するようにしましょう。不正出血のパターンによる違いを、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤 恒正 監修
落合病院 副院長
近藤 恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

女性

不正出血は病気やホルモンバランスが原因

不正出血が起こる原因は、大きく分けて2つあります。

不正出血の原因のひとつめは、女性の病気です。子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)、子宮頸がん(しきゅうけいがん)などの女性特有の病気は、時として不正出血を引き起こすことがあります。

また、子宮腟部(しきゅうちつぶ)びらんや子宮頸管(しきゅうけいかん)ポリープなどができていると、セックスの際に出血することがあり、これも不正出血のパターンのひとつに数えられます。

もうひとつの原因は、女性ホルモンのバランスが崩れることです。月経の前や卵巣の働きが衰えているときなどには、ホルモンバランスが崩れやすくなります。ダラダラと出血が続くケースや、月経前に少しだけ出血が見られるケースが多いのが特徴です。

他に、妊娠や初期の流産の影響で出血が起こることもあります。いずれの場合でも、不正出血は身体から示される何らかのサインであり、健康状態を知るために欠かせない手がかりです。

茶色の出血、病気の可能性

子宮や膣の奥などでほんの少しだけ出血が起こった場合、微量の血がおりものに混じって出てくることがあります。この場合、血の色は茶色で、ドロッとしています。

茶色の出血に多いのが、子宮の病気によるものです。子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん、菌の感染による卵管炎(らんかんえん)、骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)、卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)などの病気が疑われます。

また、不正出血に加えて下腹部に痛みを感じる場合は特に注意が必要です。できるだけ早く婦人科を受診し、検査を受けて、病気の有無などを調べるようにましょう。

少量の出血はホルモンが原因?

少量の出血が長引く場合は、ホルモンバランスが乱れていることが原因かもしれません。

ホルモンバランスが乱れると、月経不順(げっけいふじゅん)や無月経(むげっけい、月経がないこと)におちいりやすくなります。その結果として、妊娠しにくいあるいは妊娠できない状態になってしまうことがあるため、子供を望んでいる人や、将来妊娠したいと思っている人は早めに改善するほうがよいでしょう。

ホルモンバランスが崩れる主な理由は、ストレス、生活リズムの乱れ、食生活の偏り、睡眠不足などです。生活を見直し、思い当る部分があれば改善を試みてみましょう。なかなか症状の改善が見られない場合は、婦人科で相談してみて下さい。

鮮血が出る場合の対応方法

20代・30代の若い年代で鮮血の不正出血が起こる場合には、子宮腟部びらんや子宮頸管ポリープによる出血であるケースが多く見られます。

子宮腟部びらんとは、「子宮頸管(しきゅうけいかん)」という子宮の出口の「円柱上皮」と呼ばれる部分が、外側に開いた形になり、肉眼で見てもただれて見えることです。病気ではありませんが、接触によって出血しやすくなることがあります。子宮頸管ポリープの場合は、子宮の出口に赤く舌を出したようなものができます。

どちらも珍しいことではありませんが、刺激に弱く接触すると出血しやすくなっているため、セックスの後に鮮血が出ることが多々あります。

炎症や出血がひどければ、簡単な処置でびらんを治療したり、ポリープを取りのぞくことができます。感染症や合併症を起こすリスクもあるので、一度医師に相談し、必要であれば治療を受けましょう。

女性の不正出血のパターンについてご紹介しました。不正出血があり不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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