妊娠初期・後期・臨月の際の腰痛ストレッチの方法と注意点
- 作成:2016/09/12
妊娠中には、ホルモンや物理的な要因で腰痛を感じることがあります。どのようなストレッチをすべきかや、ストレッチを中止すべきタイミングを含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
妊娠初期の腰痛ストレッチの方法
妊娠すると、女性の体には、様々な変化が起こります。例えば、いつもは作られないホルモンが作られたりします。妊娠中の体の変化は、お腹の赤ちゃんが育ちやすいようにしたり、出産しやすいようにするため起こります。妊娠・出産に必要な体の変化ですが、時には変化によって腰痛が引き起こされることがあります。
妊娠初期の3か月ごろになると、「リラキシン」というホルモンが作られます。このホルモンは、関節や靭帯を緩める作用があります。靭帯や関節を緩めることで、骨盤全体を緩める作用があります。骨盤が緩むことによって、出産の時に赤ちゃんが骨盤を通りやすくなるためです。
しかし、骨盤が緩むと、骨盤の周りにある、お尻や腰の筋肉で骨盤を支えなくてはならならなくなります。骨盤を支えるために骨盤周辺の筋肉に負担がかかり、腰痛が生じます。
ストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、血流を良くしますので、腰痛を和らげるのに役立ちます。1つストレッチを紹介すると、まず、寒くない場所で、横向きに膝を少し曲げて寝ます。両手を横に伸ばし、上になった腕をゆっくりと大きく回します。このとき、腰やひざは動かさないように注意しましょう。また、ストレッチは暖かい場所でおこないましょう。
妊娠初期の腰痛ケアで気をつけるべき点
温かいお湯につかったり、筋肉を休めるだけでも痛みは和らぎます。
妊娠初期は流産の可能性の高い時期でもありますので、強く腹筋を使ったり、お腹を圧迫したり、強く前屈させてお腹を曲げるなどのストレッチはお勧めできません。また、妊娠中の痛み止めの使用も、赤ちゃんに影響を及ぼすこともあります。全ての妊娠期に当てはまりますが、薬の使用や、ストレッチをやってみたいと思った時は、主治医に相談してから行いましょう。
妊娠後期・臨月時の腰痛ストレッチの方法
妊娠後期・臨月の時期には、お腹が大きくなり、反った姿勢になりやすくなり、妊婦の多くが腰痛を感じるといわれます。しかし、外部から妊娠へ影響を与える事は少ない時期で、可能なストレッチの種類も増えてきます。
腰痛を和らげるストレッチでは「ネコのポーズ」が知られています。やり方は、まず、両手と膝を床に着いた姿勢で、両腕の間に頭を入れる感じで背中を丸めます。次に頭を起こし、背中を反らします。この動作を交互にゆっくりと行います。1回に10回以内、1日3回程度行います。
もう一つは腰をねじるストレッチです。まず仰向けに膝をたてて寝ます。骨盤を上に向けたまま、ゆっくり足を左右に倒します。
ストレッチで腰痛が和らぎますが、痛いと感じるまで伸ばすのは逆効果です。ストレッチを行うときは、入浴後、体が柔らかくなっているときに行うと効果的です。また、吐く息を意識しながら、しっかり呼吸をしながら行いましょう。寒い場所でなく、温かい場所で行いましょう。
妊娠後期・臨月時の腰痛ケアで気をつけるべき点
妊娠後期・臨月になると、腰が反って、お腹が前にせり出したような姿勢になりやすくなります。重心が前にかかった状態になり腰痛の原因の1つです。そのため、良い姿勢を意識することが腰痛予防には必要です。壁を背にして頭、肩、おしりをつけて、肩とおしりの隙間を少なくすると良い姿勢がとれます。また、立つ、すわるなどの動作をゆっくり行う事で、腰の負担が軽減します。マタニティベルトを腰に巻き、腰を支えるのも腰痛対策になります。
ストレッチを中止すべきタイミング
妊娠前期、中期、後期、臨月問わず、以下のような場合は、ストレッチを中止しましょう。
・血圧が高い
・胎盤の位置が低いと言われている
・お腹が張っている
・ストレッチをしているときに、お腹が張ってきてしまった、もしくは痛みを感じた
・他にもなんらかの理由で医師から運動を止められている時、
長時間行ったり、痛いと感じていても続けたり、体調が悪いのにストレッチを行うなどの無理はしないようにしましょう。
妊娠中の腰痛についてご紹介しました。妊娠中の腰の痛みに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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