痛風結節の原因、症状、治療 要手術?薬で溶ける?痛い?
- 作成:2016/01/25
痛風結節とは、発作の原因となる物質が、皮膚に沈着して、こぶのようになったものをいいます、薬でも対応可能ですが、日常生活に支障がある場合は、外科的な手術の措置がとられることもあります。痛風結節の実態と治療について、医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
痛風結節、基本痛みはないが…
「痛風結節」とは痛風発作の原因ともなる「尿酸ナトリウム」と呼ばれる物質の結晶が皮膚の下に沈着して盛り上がり、こぶのようになった状態のことを言います。痛風になるとすぐできるわけではなく、高尿酸血症の状態が長期間続いたり、治療せずに放置していると数年後に痛風結節ができてきます。したがって痛風患者のすべてでこの結節が発症するわけではなく、むしろ発症する人のほうが少ないのです。
尿酸降下薬が開発される以前では、痛風患者の半数で痛風結節は見られましたが、薬が進歩した近年では発症頻度は数%と推定されています。一般には手の甲や肘(ひじ)、耳、くるぶしなど体温の低いところにできやすい傾向にあります。理由としては、尿酸がより温度の低い場所で結晶化しやすいためと考えられています。結節の大きさはさまざまであり、大豆程度の大きさのものからリンゴ程度のものまであります。
具体的な症状ですが、痛風結節が関節にできると、関節が動かしにくくなります。また、結節によって骨を破壊するため、外科的治療が必要になる場合もあります。基本的には痛風結節に痛みはなく、炎症を伴うと痛みが出てくると考えられています。
尿酸降下薬で溶ける
痛風結節の治療は薬物治療によって尿酸値をコントロールすることが重要であり、尿酸値を6.0mg/dl以下にコントロールすることが大切です。尿酸値が正常範囲内でコントロールされれば、尿酸結晶は徐々に溶けて排泄されていくので、結節は6か月から12か月で小さくなり消失するとされています。尿酸降下薬による尿酸値の低下の割合と、痛風結節の縮小の割合は相関しているとの報告もあります。
痛風結節自体に痛みはないため、外科的治療は結節の物理的な要因によって障害が出ているときに考慮されます。例えば、足にできた結節によって靴がはけず、繰り返し潰瘍ができて感染する危険性がある場合、神経を損傷する危険性がある場合などです。手術が選択された場合には、重要な血管や神経を傷つけないように結節を摘出してきます。がんのように悪性ではなく、尿酸値のコントロールによって結節も次第になくなっていきますので、無理しない程度に摘出することとなります。
痛風結節の概要や治療についご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるようなささいなことでも結構ですので、気軽にご活用されてください。
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