女性も痛風になる?症状は男性と同じ?なぜ閉経後は要注意?
- 作成:2016/01/20
女性の痛風患者は、全体のわずか1%といわれていて、女性のほうが発症しにくい傾向があります。原因として考えられているのは、女性らしさをつくる「エストロゲン」と呼ばれるホルモンですが、女性でも注意すべき時期があります。症状の違いがあるかも含めて、医師監修記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
女性の痛風患者は全体の約1%
痛風や高尿酸血症は、一般的に男性での発症がほとんどであり、痛風患者のうち、女性は1%前後しかいません。女性の方が痛風を発症しにくい理由として、女性ホルモンの関与が挙げられます。女性ホルモンの1つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性らしさを作るホルモンであり、妊娠に備えて子宮に働いたり、基礎体温を下げる働きがあります。さらに、エストロゲンには尿酸の排泄を促す作用もあります。作用する仕組みとしては、エストロゲンが、腎臓から尿酸を出し入れする「トランスポーター」と呼ばれる蛋白質の活動に影響を与えているためだと言われています。そのため、高尿酸血症と定義されている「尿酸値7.0mg/dl」の基準には、男性に比べて女性のほうが到達しにくいと考えられています。
女性も閉経後には尿酸値に注意を
しかし、女性だからといってずっと高尿酸血症になりにくい体質が続くわけではありません。女性ホルモンの分泌が低下する閉経後以降は、それまでよりも尿酸値が上昇しやすくなります。つまり、平均で50歳位を越えると、男女間での尿酸値の差は小さくなります。したがって、閉経後の女性では定期的に健康診断等で尿酸値の動きを注意して見ておくと良いでしょう。
また、女性のほうが痛風になりにくいもう1つの理由として、飲酒機会が少ないことや肉よりも野菜や魚中心の食生活を送る方が多いことなども理由として考えられていました。しかし、近年、女性の社会進出とともに、アルコール摂取量の増加やストレス、食生活の欧米化などにより、女性でも痛風を発症する方は増加してきていると言われています。
痛風の症状に男女差はなし
男女で痛風の症状に大きな違いは見られません。痛風は、一般的に、ある日突然、関節部分、特に足の親指の付け根の激しい痛みで発症します。ただ、痛みが起きた場合、痛風以外の足の病気と間違えやすい場合もあります。代表例が、女性に多い外反母趾です。外反母趾では、足の親指の付け根の関節が外側に曲がり、変形によって痛みを生じます。また、痛風によく似たものとして、関節に「ピロリン酸カルシウム」という結晶がたまり炎症を起こす「偽痛風」や、関節リウマチなどが挙げられます。そのため、痛風と自己判断せずに医師の診察を早めに受けるようにしましょう。
女性と痛風の関係についご紹介しました。もしかして痛風かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるようなささいなことでも結構ですので、気軽にご活用してください。
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