カンジダ症で口内炎?喉や舌に影響?アレルギーも悪化?皮膚炎にも?性病以外の症状を解説

  • 作成:2016/05/02

カンジダ症は、「性病」として認知されていますが、口や喉に症状が出ることもあります。皮膚の症状も含めてどのような症状なのかや「アレルギーが悪化する」と言われる理由も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

平松晋介 監修
ちくご・ひらまつ産婦人科医院 院長
平松晋介 先生

この記事の目安時間は3分です

カンジダ症でアレルギーが悪化する?

カンジダで起きる口内炎 喉、舌、食道に影響?

カンジダ症は、性病として知られている傾向が強いようですが、原因となるカンジダ菌の感染した部位・臓器によって、様々な症状をきたします。

カンジダ菌が口腔内あるいは食道などの消化管内に感染することもあります。例えば、口腔内でカンジダ菌の感染が成立すると、口の粘膜に障害を与えて、口内炎のような症状をきたします。これは「鵞口瘡(あるいは塹壕(ざんごう)口内炎」といいます。他にも、口の端がひび割れる「口唇炎(こうしえんえん)」なども見られます。

舌に影響が出ることもあります。舌にカンジダ菌が感染すると、舌が赤くなって痛みが生じ、舌が平滑になることもあります。

カンジダ菌は口腔内を通過し、食道に感染することもあります。食道でカンジダ菌の感染が成立すると、口腔内と同様、斑点状の結節を形成し、食物などを飲み込んだ際に痛みが生じることもあります。

ただ、これらの感染は、免疫状態が非常に落ちた時にみられる事がほとんどで、普通の健康な方では、新生児を除いて、まずみられません。

カンジダでおきる皮膚炎とはどんなもの?

カンジダ症の症状は口腔や食道だけでなく、皮膚にも感染します。皮膚に感染したカンジダ菌による皮膚炎は大きく3つに分けられます。

1つ目はカンジダ性摩擦疹で、これは陰股部、脇の下、乳房下などの擦れる場所にできる、赤くかゆみの強い皮膚炎です。カンジダ性摩擦疹は肥満、糖尿病の方、オムツなどの蒸れやすい衣類を身に着けている方に起こりやすいとされています。

2つ目はカンジダ性指間糜爛症(分芽菌性指間糜爛症(びらん))で、これは水を扱う職種に従事している人、主婦に見られやすいです。皮がむけて、赤くなりかゆくなるといった症状が現れます。

3つ目は乳児寄生菌性紅斑で、これはオムツをしている幼児に、下痢の後やステロイドを外用しているとなりやすい傾向があります。

3つがカンジダ症で生じうる皮膚炎です。いずれも抗真菌薬の成分を含んだ薬剤の治療で早期に良くなります。

カンジダでアレルギーが悪化する?

カンジダ症を発症する人の中には、カンジダ菌に対するアレルギーを持つ方がいます。また、カンジダ菌は酵母菌の仲間であるため、カンジダ菌にアレルギーを持つ方は、その他の酵母菌に対してもアレルギー反応を示すことがあります。つまり、カンジダ菌に感染した人は、酵母菌を含む食材や飲料に対してアレルギーを発症することがあります。これがカンジダ菌でアレルギーが悪化すると言われる原因です。

酵母菌を含む食品は、パンやお酒などが挙げられます。カンジダ症の既往の有る方が、これら食品を取ると、今までにないアレルギー症状をきたす恐れがあります。不安な場合や、思い当たる節がある場合は、一度、医療機関に相談してみるのがよいでしょう。

性病以外の症状への治療方法概要

性病以外のカンジダ症の症状に対する治療方法は、主に外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)に分けられます。これらはいずれもカンジダに対して有効性の高い成分が含まれています。

外用薬は皮膚カンジダ症に対して使われ、皮膚カンジダ症の症状が起きている部位に直接塗ることができます。一方、内服薬はカンジダ性爪囲爪炎、口腔カンジダ症などの病型や難治性・広範囲の皮膚カンジダ症の場合に用います。

症状の起きている部位の範囲が狭ければ外用薬を使用し、範囲が広いため外用薬ではカバーできなければ内服薬を使用するといった工夫をすることも可能です。



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性病以外のカンジダ症の症状についご紹介しました。「性病に感染したかもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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