乾皮症・皮脂欠乏性湿疹の原因、症状、治療、再発可能性、予防方法
- 作成:2016/09/15
乾皮症とは、文字通り、皮膚がかわいて、皮膚がかゆくなる症状です。乾皮症になっているときに、かゆくてかいてしまうと、皮脂欠乏性湿疹に進展することがあります。両者の症状、再発可能性などを含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
乾皮症・皮脂欠乏性湿疹の原因は?
乾皮症→皮膚の水分が失われている状態
皮脂欠乏性湿疹→乾皮症に伴って皮膚炎が起こる乾皮症の合併症
乾皮症は、高齢者に多いのが特徴です。加齢に伴い皮脂の分泌量が減って、皮膚の水分を保持できなくなり、加えて、皮膚そのものが薄くなってしまうことで、水分を失いやすくなった肌が常に乾燥してしまうことで起こります。また、高齢者以外にも界面活性剤を含む石鹸・ボディソープ・洗剤などを過度に使って、皮膚を強くこすって洗うような習慣を続けていると、乾皮症になることがあるので注意が必要です。
皮脂の欠乏した乾皮症になった皮膚では、皮膚のバリアの働きが弱って皮膚炎が起こりやすくなっています。
かゆみを感じて皮膚を引っかいたりすることで、皮膚に炎症が起こって、湿疹が生じると、「皮脂欠乏性湿疹」という状態になります。
高齢者や界面活性剤をよく使う人に多い症状ですが、体質的に皮脂の分泌量が少ない子供にも多いので、皮脂が少なければ起こる病気だと考えても良いでしょう。
乾皮症・皮脂欠乏性湿疹の症状と治療法は?
乾皮症の症状は皮脂の乾燥で、カサつきや痒みが出ることが主な症状なります。
治療法としては皮脂の代わりを担う保湿剤を塗ることです。高齢によるものや体質的なものが原因で乾皮症になっている場合は、根治が難しいため、保湿剤を塗る習慣を身につけましょう。乾皮症を発症したとしても引っかいたり、放置したりすることなく、保湿剤を使っていれば皮脂欠乏性湿疹は起こりにくくなります。
しかし、皮脂欠乏性湿疹を起こすと、フケ状の皮膚や赤みのある湿疹が出るようになり、強いかゆみで更に引っかきたくなってしまいます。痒みが出て引っ掻くほど症状は悪化するため、強い痒みを感じた時点で医師の治療を受ける必要があるでしょう。
皮脂欠乏性湿疹の治療では、保湿剤と共に炎症を抑えるステロイド外用剤を塗布します。これによって皮膚の乾燥を止めつつ、かゆみを抑え、少しずつ症状が緩和していきます。
湿疹が引けばステロイド外用剤は必要なくなりますが、乾皮症の症状が出ている間は、保湿剤は使い続けることになるでしょう。
乾皮症・皮脂欠乏性湿疹は何科で治療する?
乾皮症や皮脂欠乏性湿疹は皮膚の疾患ですので、皮膚科で診察を受けます。特に、ステロイド外用剤は副作用の強いものもあるため、皮膚科の専門医に相談すると、最適なステロイド外用剤を処方してもらえるでしょう。
保湿剤は、人によっては今後ずっと使うものになってきますから上手に選択しましょう。皮膚炎が全く発生していない状態であれば、ベタつき感の少ない塗りやすいのものが良いでしょう。しかし、湿疹のできた皮膚に保湿剤のみを塗っていると、保湿剤にかぶれを起こして皮膚炎が悪化することがあり、特にクリームや液体の保湿剤には注意が必要です。湿疹が部分的に発生している場合は、まず湿疹のある部分にはステロイド軟膏をぬって、保湿クリームなどは湿疹の部位を避けて塗る方が良いということがあります。
皮膚の状態を良好に保つための相談をする上でも、皮膚科の医師は強い味方になってくれます。
乾皮症・皮脂欠乏性湿疹の予防と再発可能性
乾皮症と皮脂欠乏性湿疹は再発の可能性が高いです。乾皮症は、体質や生活環境の影響を強く受けるため、治ったと思っても環境が戻ったら再発しますし、乾燥する季節かどうかで発症するかどうかも変わってきます。乾皮症になれば、当然、皮膚欠乏性湿疹を併発する可能性がでてきます。
乾皮症・皮脂欠乏性湿疹の予防と再発可能性
乾皮症・皮脂欠乏性湿疹の予防法としては、保湿剤を定期的に塗るのが一番です。さらに、乾燥した室内にいるのであれば、加湿器を使うこともできます。皮膚に刺激の少ない衣類を着ることで乾皮症が起こっても、皮膚にかゆみが出ないような工夫をしていくと良いでしょう。
また、石鹸やボディソープなどは控え目につかって、ナイロンタオルなどで強く皮膚をこすらないようにします。乾燥してきた部位には保湿剤塗布は欠かさないようにして下さい。
皮膚を保湿し、刺激を減らすことが、乾皮症と皮脂欠乏性湿疹の予防に大切なことです。
乾皮症・皮脂欠乏性湿疹についてご紹介しました。原因不明の皮膚症状に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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