早発閉経の原因、症状、妊娠への影響、治療、予防可能性 何科に行く?何歳が目安?
- 作成:2016/10/13
早発閉経とは、本来なら閉経が起きない40代で、閉経をむかえてしまうことです。閉経の状態になると、卵子をつくることができませんので、妊娠・出産を希望する方は、治療などの対応をとる必要があります。原因や症状、予防可能性を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です

早発閉経の原因
「早発閉経」とは、本来なら閉経が起こらないような四十歳未満の若い年齢で閉経が起こる症状の事を言います。原因は、以下のように多様です。医学的な治療が原因による物を除けば、病院で診察を受けても、はっきりとした原因が特定できるケースはあまりありません。
・先天的な素因によるもの
・自己免疫疾患によるもの
・副腎障害や糖尿病などの代謝異常によるもの
・ウイルス感染症が原因のもの
・抗癌剤や放射線治療などによる医学的治療による副作用によるもの
・タバコなどの毒物が原因のもの
どの原因であろうと、女性ホルモンの分泌が極端に少ないというのは共通です。
早発閉経の症状
症状としては、通常の閉経と酷似しています。月経不順から始まり、少しずつ周期が長くなり、最終的には年に数回しか出血が起こらなくなります。最終的に全く出血が起こらない人もいれば、年に1回か2回程度、出血だけは起こるというケースもあるので、「早発閉経だと絶対に出血が起こらない」ということではなく、症状は千差万別です。
早発閉経による妊娠への影響は?
早発閉経が進行し、月経周期が非常に長くなっている状態での妊娠は非常に難しいです。
月経不順が起こり始めた時点で、早期に発見し、月経がまだ起きている間に妊娠をするのが一番妊娠の可能性が高いでしょう。進行して月経回数が少なくなっていたり、完全に月経が無くなってしまったりした場合には、卵子をつくることができません。
ただ、、海外で卵子の提供者を探す事ができれば、妊娠する事は不可能ではありません。その場合、子供と母体との間に遺伝子的な繋がりはなくなります。また、卵子の提供は、日本国内では体外受精や胚移植は婚姻した夫婦間に限定しているので、できません。
早期閉経が発覚した時点でパートナーがいない場合や妊娠ができるタイミングではない場合、近年ではドナーを使わない妊娠方法として、月経が起きている間に作られた卵子を凍結保存するという手もあります。準備ができた段階で、凍結保存した卵子を解凍し、体外受精を実施したうえで、子宮に戻して妊娠させるのです。卵巣摘出術や抗がん剤の投与が必要になる方では、自分の卵子を利用できるのは大きなメリットです。
早発閉経は、卵巣が普通より早く老化してしまうような病気ですので、妊娠を希望する場合、可能な限り早く治療や対策を行っておくことが重要でしょう。
早発閉経は何科で治療をうける?
早発閉経は、産婦人科で診断を受けることになります。ただ、早発閉経の治療は、後述のように、不妊症治療の一環ですので、不妊症治療を専門に行なっている病院やクリニックに通院するという選択肢もあるでしょう。
不妊治療をしている病院では、健康保険の適用の無い治療を広く取り入れている施設も多く、自費診療になる結果として負担が増えます。ただ、少しでも妊娠の可能性の高めたい方は、近隣から少し足をのばした医療機関にも足を運ぶことも多いようです。
早発閉経の治療法は?
早発閉経については、確実に治るという治療法はありません。妊娠を望む場合には、女性ホルモンと黄体ホルモンの投与による治療が主になります。また、あくまで排卵が起きない事が問題となりますので、排卵誘発剤を大量に投与する治療も同時に行われます。治療によって早発閉経の症状が改善されない場合、他人の卵子を使って体外受精による妊娠となります。
妊娠を継続する場合でも、女性ホルモンなどの分泌が正常に行われていない状態のため、女性ホルモンや黄体ホルモンを定期的に摂取しながら、妊娠を継続する事になります。繰り返しになりますが、治療をしても、無事に出産できるとは限らない側面もあり、早発閉経での出産は非常に難しいといえます。
妊娠を望んでいない場合には、更年期障害や骨粗鬆症への予防的な治療として、閉経した方と同じ様なホルモン補充療法が行われます。非常に効果的な治療ですので、産婦人科を受診し、相談される事をお勧めします。
早発閉経は予防できる?
遺伝子異常や自己免疫疾患が原因の場合は予防のしようがありません。代謝異常や感染症が原因となることもあるため、何らかの治療を受ける際には治療の副作用などをしっかり確認することで、最低限の予防は可能といえます。また、タバコやアルコール等の有害物質の摂取、極端な菜食主義等も原因とされていますので、思い当たる方は、早めに考え直すことも選択肢になるでしょう。ただ、はっきりとしたメカニズムは分かっていないため、絶対に防げるものではありません。
早発閉経についてご紹介しました。妊娠や月経不順に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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