盲腸(虫垂)炎の治療薬と副作用 「散らす」の意味や食事の注意点も解説

  • 作成:2021/12/24

盲腸(正式には、虫垂炎)は、初期の場合は薬で治療が可能です。どんな薬でもそうですが、副作用があります。「散らす」という言葉の意味や、入院せずに通院治療の場合の食事の注意点も含めて、医師監修記事でわかりやすく解説します。

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盲腸を「散らす」とは、どのような意味?

お医者さんにかかった時に「じゃあ、盲腸を薬で散らしましょうか」などといわれたことがある方もいると思います。盲腸を「散らす」とは、抗生物質を投与して炎症を和らげる事をいいます。

初期の盲腸であれば手術をしなくてもきちんと治りますが、最近では抗生剤に耐性のある菌(効かない菌)が増えてきたこともあり、再発してしまうことも多いといわれています。痛みがなくなったからと言って自分で勝手に薬をやめず、医師に処方された分しっかり飲みきる事が大切です。

盲腸で使用される薬と作用機序、副作用

盲腸の時に使用される薬は「抗菌薬」という、細菌を殺す薬です。一口に「抗菌薬」といってもさまざまな種類がありますが、腸内細菌をはじめさまざまな菌に効く「セフェム系抗菌薬」と、多様な菌に効果を示す「ニューキノロン系抗菌薬」を使うことが多いようです。

セフェム系抗菌薬は細菌の細胞壁を破壊していくもので、副作用もほとんどなく安全性が高いといわれています。ただ、ごくまれに下痢や発疹を引き起こすことがあり、薬にアレルギーがある方は特に注意が必要です。ニューキノロン系は細菌が細胞分裂をしていくときのDNA合成を阻害するもので、副作用には吐き気、食欲不振とめまい、けいれんなどがあります。

盲腸炎の薬治療中の食事の注意点

盲腸の投薬治療では通院しながら治療を受ける場合と、入院して治療をする場合とがあります。

盲腸は腸が炎症を起こして弱っている状態なので、どのような治療が行われるにしても、食事制限をして腸を休ませてあげる事が大切です。入院中は食事を管理してもらえるのであまり気にする必要はありませんが、問題は通院で治療をしている人です。一般に食事制限をしようとすると水分や塩分まで制限をしてしまい、脱水や不整脈などを引き起こしてしまうことがあります。通院で良いということは、「徹底的な絶食が必要というわけでもない」と考えられますので、食べていいもの、食べてはいけないもの、摂取の仕方など医師に食事上の注意点をきいておきましょう。一般的には腸に負担がかからないように食物繊維が少なく、刺激のない食事が勧められます。

いったん完治しても、抗菌薬だけでは再発の可能性が高いといわれています。予防のためにも普段は栄養のバランスが取れた食事と、腸の環境を整えてくれる食物繊維をとるようにしましょう。食物繊維が多く含まれているものはサツマイモ、ごぼう、とろろ、こんにゃく、海藻などです。


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盲腸の薬による治療についてご紹介しました。盲腸の治療に、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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