盲腸(虫垂)炎の疑問 再発する?放置すると破裂するの?子供もなる?慢性虫垂炎とは何?
- 作成:2016/03/08
盲腸(正式には、虫垂炎)は、手術で症状が出る部分を切らないと再発する可能性があります。また、放置すると、「破裂」を起こしたような状態になって、体内に膿(うみ)が流れ出すと、命にかかわる状態になることもあります。再発可能性や、重症化について、医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
盲腸は子供もなる?
10人に1人が、盲腸(虫垂炎)を体験するといわれており、子供から大人までかかる非常にポピュラーな病気となっています。乳児の時期に盲腸が見られることはありませんが、2、3歳頃から見られるようになり、小中学生に多いといわれています。
盲腸は再発することがある?
抗生剤の投与だけでは、多くの人が盲腸を再発するといわれています。しかし、盲腸の炎症の原因となる「虫垂(ちゅうすい)」さえ切ってしまえば再発する事はなくなります。そのため軽症でも重症でも手術をする事が勧められますが、虫垂が腸内の細菌バランスを保つ働きをしているという研究成果も出ており、むやみに切除していいものかどうかは医師の間でも意見が分かれている状況です。治療前には、複数の医師に意見を聞いてみるのもよいでしょう。
盲腸と腹膜炎 盲腸を放置すると破裂する?
盲腸を放っておくと、炎症を起こしている腸の壁に十分な血流がいかず、だんだん壊死し、壊死した壁に穴が開いて、膿(うみ)がおなか全体に漏れ出し、破裂したような状況になります。
膿は細菌や白血球が混じったものなので、敏感なおなかの粘膜を刺激し、そこで新たな炎症を起こしていきます。いわゆる「腹膜炎(ふくまくえん)」という状態です。腹膜炎は激しいおなかの痛みや吐き気を伴い、呼吸が浅く早くなり、脈も速くなるショック状態に陥ってしまうこともあります。
また、細菌が血管に入り込んで全身に回ってしまうと「敗血症(はいけつしょう)」や「多臓器不全」などを引き起こしてしまうこともあります。盲腸は簡単な病気だからとあなどっていると取り返しのつかない事態に陥ることもあるので注意が必要です。放置すべきではありません。
「慢性虫垂炎」とは?
「慢性虫垂炎」とは、腹痛や超音波での所見(盲腸であるとわかる証拠)が、急性虫垂炎ほどはっきりしないものです。虫垂に軽い炎症が起きていても、自分の免疫力で治してしまった場合などがあります。良くなったり、悪くなったりを頻繁に繰り返し、痛みがあっても我慢できてしまうことや、「風邪だろう」と判断されてしまうことが多いです。腹痛があったとしても炎症が非常に軽度なので、超音波の診断でみられるべき腸壁の「肥厚(ひこう)」がみられなかったり、血液で炎症の所見がみられなかったりと、医師も診断をつけにくいことがあります。
【盲腸関連の他の記事】
盲腸(虫垂)炎の原因と盲腸の場所 遺伝やストレスも関係?「盲腸=虫垂炎」?左にあることも?
盲腸(虫垂)炎の症状 初期の痛みに特徴?子供のサインは?下痢や発熱が起きる?痛みはどれくらい続く?
盲腸(虫垂)炎の検査と診断 CTをとる?何科に行く?血液検査の意味は?
盲腸(虫垂)炎の治療薬と副作用 「散らす」の意味や食事の注意点も解説
盲腸(虫垂)炎の手術、入院期間、費用 開腹?腹腔鏡?食事制限あり?おならがサインに?
盲腸癌とは?症状、治療、予後、生存率、大腸癌との関係は?症状がでにくい理由は?
盲腸の再発可能性などについてご紹介しました。「盲腸になったのでは」と、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
関連するQ&A
関連する記事
このトピック・症状に関連する、実際の医師相談事例はこちら
病気・症状名から記事を探す
- あ行
- か行
- さ行
-
- 災害
- 再放送
- 子宮外妊娠
- 子宮筋腫
- 子宮頸がん
- 子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん
- 子宮頸がん検診・検査
- 子宮頸がんの症状
- 子宮頸がんのリスク・予防
- 子宮内膜症
- 脂肪肝
- 手術
- 出産後の症状・悩み
- 出産準備・入院
- 食事・授乳・ミルク
- 食欲
- 心臓病
- 自閉症
- 女性
- 自律神経失調症
- 腎炎・腎盂炎
- じんましん(蕁麻疹)
- 膵臓がん
- 睡眠
- 髄膜炎
- 頭痛薬、副作用
- 性器の異常・痛み
- 性器ヘルペス
- 性交痛
- 成長(身長・体重など)
- 性病検査
- 性欲
- 生理痛(生理・月経の痛み)
- 生理と薬(ピルなど)
- 生理不順・遅れ(月経不順)
- 摂食障害
- 切迫早産
- 切迫流産
- セミナー・動画
- 前立腺
- その他
- その他アルコール・薬物依存の悩み
- その他胃の症状・悩み
- その他うつの病気・症状
- その他エイズ・HIVの悩み
- その他肝臓の病気
- その他外傷・怪我・やけどの悩み
- その他心の病気の悩み
- その他子宮頸がんの悩み
- その他子宮体がんの悩み
- その他子宮の病気・症状
- その他出産に関する悩み
- その他腫瘍の悩み
- その他消化器の症状・悩み
- その他腎臓の病気・症状
- その他生理の悩み・症状
- その他臓器の病気・症状
- その他皮膚の病気・症状
- その他卵巣がんの悩み
- その他卵巣の病気
- その他流産の症状・悩み
- た行
- な行
- は行
- ま行
- や行
- ら行
協力医師紹介
アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。
記事・セミナーの協力医師
-
白月 遼 先生
患者目線のクリニック
-
森戸 やすみ 先生
どうかん山こどもクリニック
-
法村 尚子 先生
高松赤十字病院
-
横山 啓太郎 先生
慈恵医大晴海トリトンクリニック
-
堤 多可弘 先生
VISION PARTNERメンタルクリニック四谷
-
平野井 啓一 先生
株式会社メディカル・マジック・ジャパン、平野井労働衛生コンサルタント事務所
Q&Aの協力医師
内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。