盲腸癌とは?症状、治療、予後、生存率、大腸癌との関係は?症状がでにくい理由は?
- 作成:2016/03/08
盲腸ときくと、一般的には「虫垂炎」と呼ばれる病気を思い起こすかもしれませんが、「盲腸」は正しくは臓器の一部の名前です。そして盲腸が癌(がん)になることがあります。盲腸癌にはどのような特徴があるのかや大腸癌との関係などを含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
盲腸癌は大腸癌の一種
虫垂炎と同義語で使われている「盲腸」ですが、盲腸は本来、病気でなく腸の一部の名前で、具体的には大腸の一部です。大腸は右下腹部から始まり、お腹をぐるっと回って肛門へと通じていきます。大腸は部位によって「盲腸」「上行結腸」「横行結腸」「下行結腸」「S状結腸」「直腸」と分かれているのです。盲腸の癌(がん)を「盲腸癌」というので、結果として、盲腸癌は大腸癌の一部ということになります。
盲腸癌は症状が出にくい
直腸やS状結腸など、肛門に近い部位での癌ならば出血や便秘、便が異常に細いなどの症状が出やすいのですが、盲腸では、通過する内容物が、まだ液体状なので通過障害が起こりにくく、症状が出にくいです。癌が大きくなってきてから、「お腹にしこりがある」と訴えて、受診される方や、検診などで受けた採血で貧血を指摘されて、受診される方が多いです。また、癌が大きくなって腸を閉塞し始めたことで病気の「盲腸(虫垂炎)」を引き起こし、そこから癌が発覚するケースもあるとのことです。
治療が難しいことも
盲腸癌自体は、非常にかかることが珍しいものですが、だからこそ発覚した時には病状が進行していることがあります。大腸癌の治療は「癌の深さ」「リンパ節に転移があるか」「離れたところにある肝臓や肺などの臓器に転移していないか」の3つから進行具合を判断し、治療に進みます。
転移があっても、転移した場所と盲腸を切除できれば手術で治る見込みがあります。しかし、転移先が切除できないような場所であったり、あまりにも転移が多かったりした場合、手術で治すことが不可能なので、抗がん剤による化学療法や放射線療法を行います。残念ながら化学療法や放射線療法は、癌を完治させるものではありません。いかに今以上の病状の進行を抑えるか、癌発症後の人生をよりよく生きるかに焦点を当てた治療法となります。
生存率は比較的良い
癌と診断されたら気になるのが生存率だと思います。国立がん研究センターが出している統計があります。大腸癌自体は、ほかのがんに比べると5年生存率(治療開始から5年後の生存率)、10年生存率(治療開始から10年後の生存率)ともに65パーセント前後と、他の癌と比べて、比較的予後は良いほうだといえます。盲腸癌に絞った数値は、データが少ないせいか記載されていませんが、発覚が遅れやすいことから、ももう少し低い生存率なのではないかと考えられています。どんな癌にせよ、再発は怖いものです。治療を行った数年間はしっかり確認してもらい、その後も医師のすすめに従って定期的に見てもらうようにしましょう。
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盲腸癌についてご紹介しました。盲腸付近の痛みに、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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