死亡診断書の内容、発行場所、料金 再発行は可能?死因以外に何が書いてある?

  • 作成:2016/09/28

人間の死亡が確認された場合、医師が「死亡診断書」というものを発行することとなります。どのような内容かや、発行場所、料金なども含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

死亡診断書の内容は、どのようなもの?

目次

死亡診断書の内容 死因以外にはどんなことが書いてある?

厚生労働省の2016(平成28)年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアルによると、「死亡の原因(死因)および死因の種類」以外の記入項目としては、次のようなものがあります。

① 氏名・性・生年月日;
生まれてから30日以内に死亡したときは、出生の時刻も記入されています。

② 死亡したとき;
年月日に加えて時刻については死亡確認時刻ではなく、一部不明であっても分かる範囲で死亡時刻が記入されています。また、死亡年月日が全く不明の場合には、「不詳」と記載されます。

③ 死亡したところ、およびその種別;
死亡した所の種別と住所が記入されています。種別は例えば、病院、診療所、介護施設、老人ホーム、自宅などですが、自宅以外の施設の場合、施設名も記載されています。

④ 「死亡の原因」欄の中に、死因に関係する手術の有無(部位および所見)と手術年月日、および解剖の有無(所見)も記入されています。

⑤ 外因死の追加事項;
死因の種類で、「病死および自然死」以外の「外因死(死亡の原因が外にあること、事故、殺害など)」のいずれかに当たる場合、「傷害が発生したとき」、「傷害が発生したところの種別」、「傷害が発生したところ(都道府県名及び市区町村名)」、「手段および状況」が記入されています。

⑥ 生後1年未満で病死した場合の追加事項;
母子健康手帳などを参考にして、「出生時体重」をはじめ、妊娠および分娩の状況として「単胎・多胎の別」(「多胎」とは双子以上のこと)、「妊娠週数」、「妊娠・分娩時における母体の病態または異状」、「前回までの妊娠の結果」などが記入されています。

⑦ その他特に付言すべきことがら;
各事項に補足すべき内容がある場合のみ記入があります。

⑧ 「診断(検案)年月日」など
診断年月日および診断書発行年月日がそれぞれ記入され、医師本人の署名があります。

死亡診断書はどこで発行してもらえる?病院?再発行はしてもらえる?

ここまでに述べてきたように、死亡診断書は法律的に医師のみが作成・交付できるものですが、また一方で、医師は「交付の求めを拒んではならない(医師法19条)」と義務付けられているものでもあります。 したがって、死亡診断書は医師が作成、署名したものを一般的には、病院、診療所など医療機関、または介護老人保健施設など介護関連施設から発行してもらうことになります。死亡診断書については、死亡届とともに市区町村の役所へ届け出ることになっていて、原則として「死亡の事実を知った日から7日以内に」と定められています。一般には、まずは葬儀となることが多いでしょうが、引き続き、火葬(埋葬)を行うには、死亡届および死亡診断書の役所での受理後の火葬(埋葬)許可証がなければいけませんそのため、死亡診断書は比較的速やかに発行してもらう必要があります。

原則的に死亡診断書は(通常、死亡届書の右側が「死亡診断書(死体検案書)」となっています)、原本として1通が発行され、役所に提出されたあと、返却されることはありません。以降、原本の提出が求められることは、特に公的には、まずありません。

ただし、医師法上は、医師は再交付の求めには応じなければならないことにはなっています。最初の交付直後で役所への提出前の紛失や盗難など、止むを得ない事情の場合を別にすれば、再発行は一般的なことではないので、対応してもらえる時間、費用などについては医療機関などによって様々だと思われます。

比較的、診断書の再発行の関連で多いものに、郵便局の簡易保険(支払保険金が100万円を超えるものに限定。現在は「かんぽ生命」)、社会保険事務所の遺族年金などの請求手続きの際に、「死亡診断書の写し」が必要とされている場合があります。

以上2つの手続きで必要になるのは、死亡診断書原本のコピーではなく、「死亡届の記載事項証明書」として交付される公的な書類で、死亡届を提出した市町村を管轄する法務局(又はその支局)に請求できます。手数料は無料となっています。

また、民間の保険会社では、独自の死亡証明書などの提出が必要となる場合があり、担当医師に書いてもらうことになります。一部に死亡診断書の書式を含んだ形式が多いようです。

死亡診断書の発行の料金

死亡診断書は公的な書類ですが、発行料金に定められたものはなく、それぞれの医療機関または施設などでさまざまです。公的な医療機関(国・公立病院、国・公立大学附属病院など)では、料金の目安は3,000円から5,000円となっています。とくに、「国立病院機構」という団体に属する医療機関では、ほとんどが一律に3,240円(消費税込)と決まっているようです。私立の医療機関は公表していないところも多く料金の幅もあるようではっきりしませんが、都内の規模の大きめの病院では、公的機関とほぼ同様か少し高めの料金がかかる場合が多いようです。

医療機関においては、一般の診断書と同様に、死亡診断書も保険外負担の料金となっています。また、介護老人保健施設などで死亡診断書を発行してもらうケースも多いと思われますが、同施設の料金は5,000円から10,000円くらいが目安になっているようです。



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死亡診断書についてご紹介しました。疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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