トリコモナス症の症状と潜伏期間 男性と女性を別々に解説
- 作成:2016/09/29
トリコモナス症の場合、感染したものの、発病していない「潜伏期間」は数日から1カ月程度となっています。男性と女性それぞれの症状を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
トリコモナス症の潜伏期間
トリコモナス原虫による感染を起こした場合、症状が出るまでの期間は、数日から1カ月におよぶと言われます。
比較的感染力が強い生物で、性交渉以外の感染経路をたどることもありますが、発症までの期間が長い場合には、感染源の特定が難しくなることもあります。
また感染が見つかった場合、症状が出ていなくても、性交渉のパートナーにはすでに感染していると考えられます。そのため治療は必ずパートナーと一緒に受けるようにしましょう
トリコモナス症の女性の症状
腟内は、トリコモナスが増殖しやすい環境のため、女性のほうが男性よりもトリコモナスが原因で病気を発症しやすいようです。
トリコモナス腟炎は、トリコモナスが原因で女性がかかる病気です。症状が全く出ない場合もありますが、たいていは腟が過敏になって違和感を感じたり、異常な分泌物が出たりします。
トリコモナス腟炎の典型的な症状として、黄緑色の泡状の悪臭のある「おりもの」が分泌されます。分泌量は様々で、少ししか出ないこともあれば、おびただしい量が出ることもあります。腟が赤く腫れ、性交渉のときや排尿のときに痛みを伴うことがあります。性器にかゆみや痛みが出ることもあります。また腟の壁や子宮頸部(子宮の入口部分)の表面に、点状で赤い「いちご状斑点」が表れたり、尿道炎や膀胱炎を起こしたりする場合もあります。
健康な人の場合では、腟には「デーデルライン桿菌」という菌が住みついており、この菌が出す酸性物質によって、様々な雑菌の感染が抑えられています。しかし、トリコモナスが腟に入り込むと、腟粘膜の上皮の細胞から栄養となるグリコーゲンを吸収してしまい、デーデルライン桿菌がいなくなってしまいます。そのため他の雑菌が繁殖しやすくなり、これが原因で炎症を起こします。
自覚症状がない場合でも、感染していれば、将来的に性器に炎症が起こったり、腫れたりする可能性があります。
トリコモナス症の男性の症状
男性の場合、トリコモナスに感染しても、全く症状が表れないことが少なくありません。そのため発見が遅れがちですが、症状はなくても感染していれば、そのまま他の人にうつしてしまう恐れがあります。
男性がトリコモナス感染によって発症しやすいのが、トリコモナスによる尿路感染です。尿道から入り込んだトリコモナスが、膀胱にまで侵入して、炎症を起こす病気です。症状として、性器から泡状の膿(うみ)のような尿道分泌物がみられることがあります。尿道分泌物はそれほどひどくありませんが、尿道が過敏になり尿道の入り口が湿ったりします。また分泌物が出て、排尿のときに痛みを感じたり、頻繁にオシッコに行きたくなったりすることがあります。
その他に、男性が発症する病気として「トリコモナス前立腺炎」があります。トリコモナスは、前立腺のように複雑に入り組んだ管に深く入り込みやすく、行き着いた先の組織を傷つけます。また、まれに「精巣上体炎」を発症する場合があります。
トリコモナスに感染していると、前立腺液や精液の中で、トリコモナスが動くのが顕微鏡で確認できることがあります。また血液検査では白血球が増加していることがあります。
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トリコモナス症の症状と潜伏期間についてご紹介しました。「何かの性病にかかったかもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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