「俺が産んだ」仰天の逸話も!医師の立ち会い出産事情
- 作成:2021/02/05
エムスリーでは出産にまつわる意識調査を実施。790名の医師より回答を得ました。ここでは、「立ち合い出産」ついての実態と希望をレポートします。
この記事の目安時間は3分です
【調査概要】
出産はどうでしたか?
回答期間: 2020年11月26日 (木)~12月2日 (水)
回答済み人数: 1,377人(うち医師790人)
女性医師は夫の立ち会い出産を希望しない傾向?
まずはお子様のいらっしゃる医師に伺った「立ち合い出産のご経験」についての集計結果をご紹介します。
立ち合い出産のご経験があると回答されたのは、医師全体の54.2%。男性医師と女性医師の差も少なく、男女で差が見られた里帰り出産とは異なる傾向があることが分かりました。
少し古いデータにはなりますが、平成23年度に厚生労働省が報告した「母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査」によると、出産に夫が立ち会う割合は約53%。単純比較はできませんが、医師の皆さまのご経験と、一般の方々の実態には大きな差は無い印象です。
さらに、将来的にお子様を持つことを考えている方に伺った「立ち会い出産のご希望」についての集計結果をご紹介します。
医師全体では26.1%が「はい」と回答し、立ち会い出産のご希望は実態よりも低いという結果に。内訳を見てみると、男性医師(配偶者の出産方法)では「はい」が28.8%、女性医師は15.6%と、とくに女性医師では希望されない傾向が強いことが分かりました。
この実態と希望の乖離については、コロナ禍の現状、配偶者であっても立ち合い出産はおろか、お見舞いすらも厳しいという状況を反映しているのかもしれません。
ここからは、自由回答で伺った「立ち会い出産」にまつわる医師の皆さまのコメントをご紹介します。
【「俺が産んだ」逸話も―立ち会い出産をしてよかった!】
- 第一子の出産の時、へその緒が赤ちゃんの足に引っかかっており、いきんでもいきんでもなかなか出てこなかった。分娩台で私が目を白黒させながらいきんでいる時に、主治医が「お父さん!お母さんの体を支えて!!」と言ってくれたのを機に夫婦で一緒にいきんでいた。最終的には吸引分娩かつ、医者が私のお腹に馬乗りになり、お腹をすごい勢いで押して(お腹に先生の手の形のアザができました)本当にやっとの思いで出産した。
- 夫は出産の大変さを痛感し、「女性は本当にすごい、出産は大変なことだ」と言ってくれる。また、その大変さの一体感もあり「俺が産んだと思っている」とまで言うほど。
- 本当に立ち会い出産をしてよかったと思う。 (女性,30代,整形外科系)
- 夫は特に希望していなかったが、海外で出産した際に主治医から促され、結果的に立ち会い出産となった。今となっては生まれた瞬間を一緒に共有できてよかったと思う。(女性,40代,小児科系)
- 知人の小児科医が、生後すぐの蘇生はとても大事なので自分で関わるべきと言っていたことに少し影響を受けています。4人とも立ち会いました。(自分自身は新生児蘇生の講習でインストラクターをする立場ではあります)。幸い、4人の子供たちは出生後の蘇生が必要な状況にならなかったのですが。(男性,40代,外科系)
- 立会いが出来て良かった。感動が倍になると思う。今はそれも難しいご時世で、少し可哀想に思う。(男性,40代,耳鼻咽喉科)
- 長男の時に経験、まだその時の状況クッキリ思い出されます、いい経験でした(男性,60代,精神科系)
【医師ならでは!?の立ち会いエピソード】
- 私は産婦人科医ですので、5人とも妻より先に子供たちの顔を見ました。(男性,80代,内科その他)
- 小児科医・新生児科医だったため父親としても医師としても立ち会った(男性,40代,小児科系)
- 自分が麻酔科医で妻が帝王切開になったので自分で腰椎硬麻をした(男性,50代,外科系)
- 出産日に出勤したら、ボスから叱られたため、次男坊の出産に立ち会いできた。三男は、職場で帝切、妻の希望もありオペ場で立ち会いをした。(男性,40代,外科系)
- 緊急帝切になった。同じ施設勤務していた夫が、術中、手術室まで来てくれたので、ある意味では立ち会いと言えるかも。(女性,50代,外科系)
- 夫も医療関係者なので立ち会いを希望した。臍の緒を切ってもらっていい思い出になった。(女性,30代,-)
【良いことばかりではない…】
- 同業者にプレッシャーがかからないよう留意。夫婦の協力を重視。(男性,50代,脳神経系)
- 妻を女性として見ることができなくなってしまい、以後、性欲がわかなくなり夫婦関係の維持に苦労した。(男性,50代,精神科系)
- 夫はあまり役には立たず、傍に居てくれる安心感はあったが、逆にイライラもした。陣発中に絶対に言ってはいけないと助産師さんから教えられてた「いつ生まれるんだろね?」という言葉まで放ってくるし、「そんなもの、こっちが知りたいわ!!」とぶん殴りたくなった。(女性,30代,外科系)
【立ち会いしなかった、できなかった】
- 立ち会いしたかったが、COVID-19の影響でできなかった。次の機会があれば立ち会ってみたい(男性,30代,脳神経系)
- 産婦人科医からしたら立ち会いはいないほうが仕事がしやすそうな印象があるため(男性,30代,腎泌尿器科系)
- 妻が拒否したので立ち合いは無しでした。(男性,50代,消化器科系)
- 立ち会ってもらうメリットが思いつかない。(女性,50代,内科その他)
自由回答では、立ち合い出産を経験された先生方からの心温まるメッセージが多数寄せられた一方、メリットばかりではないこと、またコロナ禍のために希望がかなわなかったなどのエピソードも届いています。
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