うちの凸凹―外科医と発達障害の3人姉弟――発達障害を疑ったきっかけ。長女いっちの場合

  • 作成:2021/08/27

読者の皆さん、こんにちは。外科医ちっちです。我が家は発達障害(疑い含め)5人家族です。発達障害は、脳の障害と呼ばれ、個別性が大きいです。ですので、「その子に合うオーダーメードの支援と対応」が必要です。我が家の特性とその工夫について、皆様の参考になるよう、お伝えします。 この記事のテーマは自閉症家族のビックリ&試行錯誤の子育てです。こんな家族もいるのだ、とどうぞ温かい目でお付き合いください。

外科医ちっち 監修
 
外科医ちっち 先生

この記事の目安時間は3分です

〈我が家のメンバー〉

父 30代 外科勤務医 のんびりマイペース。

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母 30代 元看護師 短気。昔よりはまし。

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長女 小6 自閉スペクトラム症 ADHD アスペルガー のんびり

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長男 小4 自閉症スペクトラム症 高機能自閉症 ADHD 短気

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次男 年長 自閉スペクトラム症疑い のんびり

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「うちの長女って、ちょっと変?」と確信した出来事。

長女いっちは幼稚園に入園した頃から、周りに合わせて行動するのが苦手で、席に座らない、やりたくないことがあると寝転がる、整理整頓ができない、ということが度々ありました。
ただ発語や知能に問題はなく、分かりやすい問題行動という訳でもなかったので検診でも異常は指摘されませんでした。
ところが3歳の時の園での初めての運動会で、皆が整列しているのに突然泣きながら走り出し、競技を一時中断させるほどの大脱走を繰り広げたことがありました。
それまでも、意思疎通が図りづらいと感じていましたが、「この子」しか育てていないので、「こんなものかな」とも思っていました。しかし、集団でのいっちの様子を見て「これは平均とのずれ方が変だぞ」と確信せざるを得ませんでした。

うちの凸凹―外科医と発達障害の3人姉弟――発達障害を疑ったきっかけ。長女いっちの場合

発達障害なのかな?長女の様子で気になったこと。

<心の発育>

  • 赤ちゃんの頃から目が合わない
  • 気が向かないときには、どんなに周囲が言ってもやらない(ex幼稚園に行く時間だと声をかけても、大好きな本を読んでいると途中でやめることができない)。
  • 会話をしていてとんちんかんな返しをする。
  • クラスの友人と意見が違うと必ず譲り、自分の意見を主張しない。
  • 小学生になっても、授業中に急に泣き出す(本人にも理由が分からない)。
  • 急に床に転がる(本人にも理由が分からない、急に転がりたくなるらしい)。
  • 授業中に先生が説明しているときに、いっちの気になることを大声で先生に聞いてしまう。
  • スケジュールを分刻みでルーズリーフに書き出し、 その通りに行動する。スケジュールと実際がずれると機嫌が悪い。

……この辺りの学校での様子は授業を中断させてしまうこともしばしばありました。

<こだわり>

  • かぼちゃだけを食べる(2歳まで)→食事が牛乳だけ(3歳まで)→次第にまんべんなく食べるようになった。
  • ヒートテックの素材、内側がもこもこした服(裏起毛)が着られない。

<身体の発達>

  • 毎日転ぶ
  • 食べこぼしがひどい(毎食、椅子の下に新聞紙を敷いていた)。
  • 整理整頓ができない。
  • 落し物・忘れ物が多い。
  • 次にやることだけに目が向いているので、今やっていたことを忘れて次に行ってしまう。

<他の子どもと少し違うなと感じたこと>

  • 文字への理解がとても早く、正確。
    1歳半には大人のようにペラペラお話ししていた。(道で通りがかりのおじいさんにいくつ?と聞かれて「1さい8かげつです」と1歳8か月の時に答えていた)。
    3歳になる前に文字を習得、鏡文字などなく正確に書けるようになった。
    年中の頃には絵本だけでなく、小学生が読む本を一人で読みだした。
  • 大人の会話を100%理解している。
    母親が困ることをしない。我慢する。
    同世代の子の気持ちを推測し、自分が我慢しても、相手が喜ぶことをする
    (→これは後に、自信のなさの表れだと児童精神科医に指摘されました)。
  • 読んだ本の内容を正確にページまで覚えている。
    例えば「〇〇ってなんだっけ~?」と聞くと「ちょっとまってね」と本棚に行き、迷うことなく1冊選び、迷うことなく「ここに書いてあるよ」と開いて教えてくれる。
  • 夜明けが分かる(気づいたのは1歳半ごろ)
    遮光カーテンで部屋は真っ暗でも、日の出とともに外がうっすら明るくなると、パチッと目覚める。前の晩に夜更かししても、日の出とともに起床。機嫌よく一人でおもちゃ、本で遊ぶ。なので、夏は5時頃、冬は7時頃に起きる。どういうセンサーなのだろうと不思議です。

1つひとつは、大したことないのです。積み重なると、生活はしづらいです。

まとめと次回予告

初めての子育てで、「この子」しか親として接していないので、普通から少し外れているのかどうか分からず、「こんなものかな」と数年は思っていました。しかし、集団生活が始まると、うちの子の逸脱ぶりがはっきりしてきました。第2回は、「2年後に生まれた長男にっちも発達障害?」です。

外科医師。妻(看護師はっは)と発達障害3児の育児中。記事中のイラストは、看護師はっはが担当。著書『発達障害の子を持つ親の心が楽になる本』(SBクリエイティブ)が2024年9月発刊予定。
・ブログ:「うちの凸凹―外科医の父と看護師の母と発達障害の3姉弟
・ブログ:「発達障害の生活は試行錯誤で楽しくなる
・note:https://note.com/titti2020/
・Twitter:@surgeontitti

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