「おしりの青いのが消えない」中2の娘の蒙古斑、治療すべき?
- 作成:2021/10/23
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、中学2年生のお子さんの蒙古斑に悩む、お母さんからのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
中学2年生になる娘がいるのですが、お尻の蒙古斑がまだ消えないと相談を受けました。小学6年生の息子は既に消えているのですが、女の子ですのでこのまま放っておいて消えないままなのは可哀想だと思っています。この年齢まで残っているのは病気か何かが潜んでいるのでしょうか?また、レーザー治療などで改善するのでしょうか?ご回答お願いします。
医師の回答
蒙古斑は皮膚の深い部分である真皮にメラニンを含むメラノサイトが沈着する生まれつきの青あざの代表です。場所はお尻や背中の下部に多いと言われていますが、まれに他の場所に蒙古斑が見られ異所性蒙古斑と呼ばれます。日本人のほぼ100%に見られ、5,6歳までに「自然に」消えるものです。
しかし稀に学齢期を過ぎても残る場合があり、その場合で衣服に隠れない露出部などでは患者の精神的苦痛を緩和する目的、整容性の目的にレーザー治療の対象になります。具体的な開始年齢はまだ議論があります。11歳になるとその後の自然消退は期待できないので「学齢期まで待っても消退しない」場合には治療の絶対適応に思います。
もう一つ大切なのは、蒙古斑は生後ずっと存在するものなので、思春期以降に新たにできる事はありません。思春期以降に新たに出現した場合は太田母斑と言われ、目の周りや頬を中心とした顔の片側に出てきます。肩に出た場合には伊藤母斑と呼ばれます。太田母斑や伊藤母斑は自然に消退する事は決してなく、基本的な治療としてはQスイッチレーザー照射が必要となってきます。その年齢でその部位に出てきた場合には要注意なのです。
1) 日本形成外科学会.太田母斑・異所性蒙古斑.
2) 舟橋ひとみ. 日本レーザー医学会誌.2021;42:29-34
今西 洋介
小児科医/新生児科医。日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医。
日本小児科学会健やか親子21委員。大阪大学公衆衛生学博士課程在籍。講談社モーニング連載コウノドリの漫画・ドラマの医療監修を務めた。m3(エムスリー)、Askdoctors、yahoo外部執筆者として公衆衛生学の視点から周産期医療の現状について発信。
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