生後6か月で「子育てめんどくさい」愛情不足を心配する母の悩み
- 作成:2021/10/30
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、生後6か月のお子さんとのかかわり方に悩む、お母さんからのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
現在、生後6ヶ月の娘を育てています。生後間もない頃は色々悩みもありましたが、今では子供が元気であればそれで良いと思うようになり、必要以上に悩まなくなりました。その半面、子育てについて面倒臭いと感じるようになってきました。勿論、自分が望んで産んだ子なので食事、入浴、排泄、散歩、遊びはしますが、基本は面倒臭いと思ってしまいます。赤ちゃんが一人で遊んでるとそばで見守りつつ携帯をいじってしまいます。たまに目が合うと手を振ったりジェスチャーはしますが、泣かない限りはそれで済ませることが多いです。泣いた場合も手が離せない場合は結構放置することがあります。抱っこの寝かしつけは面倒なので(そもそも抱っこしたら反る)泣いたらミルクをあげ、セルフねんねを促してしまいます。寝ないと苛々します。そして休日は旦那に赤ちゃんを任せて、自分は外出することもたまにあります。その半面、関わりの際は赤ちゃんに「今日寒いねー」等一方的に喋りかけ、手が空いた時は絵本を読んだり、童謡を歌ったり、こしょばしたり、高い高いしたりして笑かすこともしていますが、ニコッとしたりキャキャキャと笑ったりで喃語はないです。(もっと語りかけた方が良いのか...)
赤ちゃんの様子を見ると笑顔も多く、私の顔を見ると興奮して手足をバタバタさせたりとたまに行く児童館ではよく笑う子だねと言われました。とにかく子育て中ではあるのですが自分の時間が欲しいと思い、優先してしまう事があります。これ以上、制限されるとストレスでおかしくなりそうです。このような対応で赤ちゃんが愛情不足に陥る事ってありますか?私から見ると喃語はあまりないけどよく笑う子だと思ってます。YouTubeなどの子育て動画を見ると、あんな穏やかに子育てできるのか不思議です。本当にすごいと思います。
客観的にみて赤ちゃんとの関わり方を改善した方が良いでしょうか。
医師の回答
まず強調したいのは、この悩みに関して母親の愛情不足とは1ミリも思わないということです。現実問題として、当然ですが母親は一人の人間です。よくある母性愛「神話」はさまざまな方面から世の女性を苦しめる言葉であり。母親は聖母でもなんでもない一人の人間です。なので、「自分の時間が欲しい」「子育てが面倒臭い」と感じるのは人として当たり前の感情だろうなと言うのが私の率直な意見です。
どちらかというと愛情不足と言うより、お母さんが育児に疲れているのが現状と思います。お子さんと言うより育児や家事に疲れておられると思います。他に育児や家事を頼める家族はいませんか?父親やパートナーは育児休業を取れないでしょうか?育児休業は産後1年以内なら誰でも取得可能です。よく誤解されますが、育児において母親に出来て父親に出来ないことは直接授乳くらいで、搾乳して瓶哺乳で母乳を投与することも可能です。
あと6ヶ月で喃語がないのはそこまで気にする必要はありません。喃語は生後5〜7ヶ月から始まり1歳まで続きます。乳幼児健康診断で使われる指標は、10ヶ月で90%の赤ちゃんが喃語を話すと言われています。6ヶ月で言わなくても大人の言う言葉が聞こえてそうであればもう数ヶ月経過を見ても良いと思います。赤ちゃんの発達や成長は個人差が大きいので定期の乳幼児健診はしっかり受診し、発達を評価してもらいましょう。
今西 洋介
小児科医/新生児科医。日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医。
日本小児科学会健やか親子21委員。大阪大学公衆衛生学博士課程在籍。講談社モーニング連載コウノドリの漫画・ドラマの医療監修を務めた。m3(エムスリー)、Askdoctors、yahoo外部執筆者として公衆衛生学の視点から周産期医療の現状について発信。
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