コンドームを付けていても性感染症が怖い!…性病になる可能性は?
- 作成:2021/11/10
性に関するお悩みは、身の回りの人にはしづらいもの。この連載では、そんな性にまつわるトピックに対して、専門の医師が答えていきます。今回解説するのは、性感染症に対する不安に悩む女性からのお悩みです。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
前にも相談しました。
病気への不安症、神経症?があります。優しく教えてもらえると、すごく助かります。
新しい彼と最初から最後までコンドームを付けてしました。
コンドームを付けることがまずは最善だと学んだのですが、これで性病になる可能性は考えにくいですか?
行為が終わった後に怖くなって、過呼吸になりそうでした。心配しすぎなのでしょうか?
もちろん定期的に性病検査したほうがいいのはわかっています。
今回も必ず検査してしまいます。前の彼の時も検査をしましたが、何もなかったです。
コンドームをちゃんと使っていたら、そんなに心配しなくていいですか?
コンドームしていても怖いなんて、もうおかしいのでしょうか?
【医師からの回答】
性感染症が怖いのですね。性感染症のメジャーなものとしては、淋菌、クラミジア、エイズ、梅毒、ヘルペス、コンジローマ、カンジダ、トリコモナスなどがあります。マイナーなものを含めると30種類以上あります。これらすべてをコンドームで予防することは不可能です。性感染症が怖いならセックスをしないことにはなりますが、それは現実的ではありません。
では、何が一番大事かというと、あなたが信頼できるパートナーとセックスをすることです。コンドームはあくまでも性感染症への感染する確率と妊娠する確率を低下させる効果があります。一番大切なのは、セックスをするパートナーが信頼できる人なのかどうかということです。それだけ不安なら、まずはパートナーのことを考えましょう。
不特定の人とセックスをすることは性感染症のリスクを伴います。性感染症になるかならないかは、コンドームを付けていないかどうかではなく、パートナーが性感染症を持っていないことが一番重要なポイントです。そのためには、お付き合いをする前に2人で同時に性感染症の検査をすることです。その結果が出てからセックスをすればいいのです。性感染症の検査をするということをパートナーに言いにくいかもしれませんが、これはお互いのためです。お互いの身体のことを考えているから検査をしたいとお願いしたら協力してくれるはずです。そこで拒否するような人は相談者さんに見合った人ではないのだと思いますよ。
ちなみに、性感染症は不治の病ではなく、検査と治療法が確立しています。検査をして何かに感染していたとしても治療薬がありますので、寿命を縮めるような病気ではありません。感染しているのに症状が出ないこともありますが、検査では陽性になります。感染しているのに治療せずに放置すると、クラミジアは不妊の原因にもなりますが、早期に治療したら何も問題ない感染症です。
僕たちのような専門家が性感染症に気を付けましょうと情報提供をしすぎて、相談者さんのように不安に思う人もいらっしゃいます。でも、この情報提供は相談者さんへのメッセージだけではなく、何も心配せずに不特定多数の人と性的な関係を持っている人たちへのメッセージです。性感染症のことを心配し過ぎると、セックスで一番大切な楽しみを失うことになります。後悔しないためにもセックスする際には、自分だけではなくパートナーにも性感染症の検査をお願いしてみることが大切ですね。
福元和彦 先生
福元メンズヘルスクリニック 院長
2008年 川崎医科大学を卒業後、泌尿器科医として研修
2017年 福元メンズヘルスクリニック(鹿児島)を開業
性の専門家、TENGAドクターとして性の啓蒙活動を行っている
福元メンズヘルスクリニックHP
ドクター福元の性の相談室
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