【いま読みたい】発達っ子のためのオススメしたい入学準備~生活編~
- 作成:2023/03/07
こんにちは。外科医ちっちです。これからお子さんが小学校に入学する時期に、保護者は何をするべきでしょうか。今回はわが家の経験から、スムーズに通学につながる入学準備を3つお伝えします。
この記事の目安時間は3分です
〈入学準備1〉 通学路を一緒に歩く + 傘をさして歩く
幼児期は大人と手をつないで歩いたり、自転車のうしろの席や車に乗っていることが多い子どもは、「一人で歩く」という経験がほぼありません。小学校入学後は、体と同じくらいの大きさのランドセルを背負って、1人で通学します(集団登校の学校もありますが)。私はわが子の登校時の様子を見守っていて、気が付いたことがあります。
平均台だと思っていない? 子どもは縁石を歩きたがる
多くの子どもは、車道と歩道を分けている一段高くなった縁石を歩きたがります。一歩バランスを崩せば、車道へ飛び出し非常に危険です。
歩道の車道側に寄って歩きがち
路側帯の白い線に沿って歩きたいのか、縁石に引き寄せられているのか、子どもは歩道の車道寄りの隅っこを無意識に歩きます。これも、うっかり転ぼうものなら、車道へ転がってしまいます。
急に方向転換する
まっすぐ歩いていても、ふと気になったものがあると急に動きを変えます。もしも、近くを自転車が走行していたら、避けられず衝突してしまいます。
横断歩道の1メートル手前からでも渡り始める
一応信号は見ているものの、「青だ」と思ったら横断歩道の少々手前でも渡り始めます。
車を運転する方ならおわかりでしょうが、こういった行動は事故につながるため、非常に怖いものです。しかし、彼ら子どもには子どもの視点の高さと範囲しかありません。
周囲を観察していると、どうやら上記のような問題は発達障害のあるうちの子に限ったことではなく、子ども全体に見られる行動のようです。このような視点から、一度お子さんが1人で歩いているところを観察し、危険がないように一つずつ教えてください。
また、雨の日のために「傘をさして歩く練習」も必要です。幼児期は、レインコートや車の送迎で、意外と「傘をさして歩く」経験がありません。ランドセルを背負った上で、傘を安全に持つ練習をしましょう。
傘は体より大きく、外側にはみ出ます。人とすれ違う時はぶつからないように、道の端に寄る。同じ理由で、車道側を歩くと傘と車がぶつかるため注意が必要です。
傘のたたみ方や、手に持って歩くときは立てて持つこと、傘の先が人に当たるとケガをさせることなどもあわせて伝えるといいでしょう。大人には当たり前のことでも、新1年生は案外わからないものです。
ぜひ一緒に通学路を歩いて、見守り、危険がないかどうか子どもと一緒に確認してください。できれば、朝の登校時間と下校時間に当たる14時頃の確認をオススメします。これは時間帯によって通る車の種類や行き交う人が違うからです。
〈入学準備2〉 学校のスケジュールに合わせて動いてみる
小学校に入学すると、幼稚園・保育園とは1日のスケジュールが違います。一番の違いは、きっちりと時間で予定が決まっていること。
これは、先の見通しが立つという点で、発達障害の子どもには有利です。うちの子も、園では「自由時間が多くて何をしていいのかわからない」ので苦痛な様子でした。入学後に予定が時間で決まっていることで自身の中に見通しが立ち、生活しやすくなったようで、行きしぶりが減りました。
入学前の土日に1、2回でいいので、学校の時間割表を作って部屋に貼り、その時間通りになんとなく生活してみると、学校生活の流れがつかみやすいです。
また、可能であれば学校行事(授業参観、運動会、発表会、夏祭りなど)を見学させてほしいとお願いして、お子さんに実際に見せるといいでしょう。百聞は一見に如かずです。学校生活がイメージできて、子どもたちの安心につながります。
〈入学準備3〉 近所に顔見知りの大人を作る
核家族化、周囲とのかかわりが希薄な現代社会。皆さんは地域の人々と、どのくらいかかわりがあるでしょうか。
安全な登下校を行うため、犯罪から子どもたちを守るためには、近所の方と顔見知りになり、「子どもの存在」を知ってもらう必要があります。
通学時の見守りボランティアの方々への事前挨拶
通学路を歩くと見守りボランティアの方々に会うことができます。入学前に、通学時間帯に子どもと一緒にボランティアの方々に会いに行き、子どものことを覚えもらいましょう。
地域の活動に参加する
コロナ禍で地域活動は減りましたが、私も現在消防団に所属しています。信頼できる大人を増やしておくことで、通学中や放課後に子どもが困っていると声をかけてくれます。
子どもの進学を前に、心得ておきたいたった1つのこと
最後に、子どもが新しい生活環境に入るに当たって一つ知っておいて欲しいことがあります。
それは「朝、出発する前に叱らない。笑顔で送り出す」ということ。
これさえ押さえておけば、子どもには環境に適応してなんとかやっていける力があるものです。
新生活がスムーズに始まるよう応援しています。
外科医師。妻(看護師はっは)と発達障害3児の育児中。記事中のイラストは、看護師はっはが担当。著書『発達障害の子を持つ親の心が楽になる本』(SBクリエイティブ)が2024年9月発刊予定。
・ブログ:「うちの凸凹―外科医の父と看護師の母と発達障害の3姉弟」
・ブログ:「発達障害の生活は試行錯誤で楽しくなる」
・note:https://note.com/titti2020/
・Twitter:@surgeontitti
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