20代でも動悸(どうき)が起こる原因
- 作成:2015/09/28
心臓の動きがいつもより強く感じられたり、早く感じられる症状が動悸(どうき)です。中高年の悩みと考えられていますが、20代〜30代でも動悸は起こります。今回は若年層でも起こる動悸の原因をご紹介します。
この記事の目安時間は3分です
若い年代でも起こりうる動悸
動悸とは普段は感じない心臓の鼓動を自覚し不快を覚えること、とされます。動悸には病気が原因となるものと病気ではないものがあります。
では動悸の原因となる病気にはどのようなものがあるでしょうか。心臓のリズムの異常である不整脈、心臓のポンプとしての異常である心筋症・弁膜症・心筋梗塞などの器質的な心疾患、甲状腺機能亢進症ほかホルモンの病気、貧血などが内科的な病気として挙げられます。
また、不安神経症・パニック障害・過換気症候群など精神・神経科領域の疾患の症状の一つとして動悸を自覚することがあります。
一方、人前にでて緊張したり、激しい運動をしたりするといつも自覚しない心臓の鼓動を感じることがあります。よく「ドキドキする」「心臓がバクバクした」などと言いったりしますね。またお酒を飲んだり、寝不足、ストレス、過労などでも動悸は起こります。
このように、普段健康な人でも日常生活の中で経験しうることといえます。
日常生活が原因となる動悸
飲酒や喫煙で動悸がすることもあります。お酒を飲むとエタノールの分解過程でアセトアルデヒドという物質ができ、動悸や頭痛を引き起こします。
アルデヒドは酵素で分解されますが、お酒の弱い人ではこの酵素が少なく、動悸も起こりやすくなります。喫煙ではニコチンの作用で心拍数や血圧を上昇させ動悸を自覚します。
またたばこの煙には多量のアセトアルデヒドも含まれており、発癌との関連も示唆されています。
貧血からくる動悸
貧血とは赤血球の中に含まれるヘモグロビンという色素が足らなくなった状態をいいます。
血液中のヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ役割をしています。まずヘモグロビンは肺で酸素を受け取り、その後心臓の働きによって動脈を通じて全身に運ばれます。血液中のヘモグロビンが不足すると、酸素を運搬する能力が低下しますので、心臓が通常より多くの血液を拍出してそれを補おうとします。貧血になると動悸ががするのはこのためです。
貧血は慢性的な出血や栄養不足、赤血球が作られる骨髄の異常、赤血球が破壊される溶血などが原因で起こります。最も普通に見る貧血のパターンは若い女性の鉄欠乏性貧血です。月経血による鉄の喪失に食物からの鉄の摂取が追いつかないことでヘモグロビンが作られなくなり、赤血球の大きさが小さくなります。
他に重要な栄養素は、ビタミンB12、葉酸ですが、ビタミンC、リボフラビン、銅も微量ですが必要です。貧血予防にはバランス良い食事を心がけましょう。
20〜30代女性に多いバゼドウ病
甲状腺は喉仏の下あたりに蝶が羽を広げて張り付くような形で存在する臓器です。
甲状腺ホルモンという重要なホルモンを作り、貯蔵し、放出しています。全身のあらゆる細胞に働きかけ、その細胞の基礎代謝の維持・促進を司ります。
バセドウ病ではこの甲状腺ホルモンの産生・放出が無軌道に亢進し、全身全ての細胞の代謝が過度に活発になります。エネルギーの消費が異常に促進され、たくさん食べても体重が減少し、体温が上がり、発汗が著明になります。脈が速くなり、時に心房細動などの不整脈も合併するため動悸も症状の一つです。
バセドウ病は男性より女性に数倍多く、20代〜30代など比較的若年で発病することが多くなっています。
今回は20代のような若い年代でもおこる動悸の原因について解説しました。日常的に動悸の症状があり不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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