意外と知らない貧血の原因と症状
- 作成:2015/11/04
貧血(ひんけつ)は、酸素を運ぶヘモグロビンの量が少なくなっている状態です。女性に起こりやすい貧血ですが、自覚している人は少ないともいわれています。今回は、貧血の症状と原因について解説します。
この記事の目安時間は3分です
貧血の代表的な症状
貧血になると、主にめまい、頭痛、動悸や息切れなど、様々な身体の不調が起こります。また体調が悪いときに、よく「顔色が悪い」「フラフラする」といったことが起こりますが、これも貧血の症状です。特に女性に起こりやすい貧血症状ですが、緩やかに進行していく場合には症状に気付かず、なかなか自覚できないこともあります。
貧血は、身体中を巡る血液のトラブルがもとで発生します。そのため、全身のいろいろな部位に不調が現れるのです。その影響で身体が疲れやすくなったり、耳鳴りが起こることもあります。血液のトラブルとは、簡単に説明すると「血が薄くなる」という状態に陥ってしまうことです。具体的には、血液中に含まれるヘモグロビンが正常時よりも少なくなってしまう状態を指します。ヘモグロビンは、肺で取り入れた酸素を身体中に運ぶ働きをしています。ヘモグロビン以外にも、赤血球などの血球すべてが作られなくなってしまう種類の貧血もあります。
貧血が起きる原因は
「血が薄くなる」、つまりヘモグロビンの量が減ってしまう原因は、大きく分けて4通りあります。一つは、食べ物から摂る栄養分としての鉄分が不足すること。これは、無理なダイエットや、偏食・欠食によって引き起こされます。二つめは、身体が大量の鉄分を消費することです。妊娠中や授乳期の女性に多く見られるほか、思春期の女子にもよく起こります。三つめに、身体から鉄分が失われてしまうこと。こちらは、潰瘍・ガン・痔などにより消化管から出血することが原因です。また、女性であれば月経過多によっても起こります。四つ目は、身体が鉄分を吸収できない状態になること。胃切除などを行った場合に多く見られます。
以上、この4つの理由によって起こる貧血は、「鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)」と呼ばれます。この鉄欠乏性貧血が症例全体の6割から8割を占めると言われていますが、他にも「再生不良性貧血」「悪性貧血」「溶血性貧血」といった難しい症例の貧血も存在します。
立ちくらみは貧血?
長時間立ちっぱなしのときや、座っている体勢から急に立ち上がったときなどに、一瞬頭がクラッと立ちくらみすることがあります。これは貧血ではなく、低血圧によって起こる「脳貧血」と呼ばれる症状によるものです。脳貧血は貧血とは全く異なる症状で、メカニズムも違っています。
このように、脳貧血は血液そのものに問題があって生じるものではありません。名前が似ているため間違えやすいですが、貧血とは違った仕組みで起きている症状です。
貧血の治療法について
あまりにもひどい貧血が起こっているときには、輸血をしたり、医薬品から鉄分などを補う治療法が行われています。しかし、普段から貧血にならないように食事療法で栄養を摂取する方法も効果的です。
貧血のほとんどは鉄分不足によって起こるものであるため、鉄分豊富な食べ物を食事に取り入れることが有効な貧血対策になります。鉄分が豊富に含まれる食材は、鶏や豚のレバー、まぐろやかつおなどの青魚、ほうれん草などの青菜、ひじきなどの海藻類が摂取しやすくおすすめです。一日に必要な鉄分は、成人男性で10mg、成人女性なら12mgとなっています。これは、例えば「ひじき一鉢、まぐろ三切れ、ほうれん草一束、納豆一パック」といった日本人なら馴染み深い手軽なメニューで十分に摂取できる量です。
但し、鉄の吸収率は非常に低く、医療用の鉄剤に含まれる鉄の量は食事で得られる鉄の量とは10倍以上違うため、既に鉄が不足して貧血になっている人は医療機関を受診して、必要があれば貧血が改善するまでは鉄材を飲んだ方が良いと言われています。
また、鉄分だけでなくビタミンB群・ビタミンCも摂ることや、一日三食規則正しく、バランスの良い食事を心がけるなど、基本的なことも大切です。
"貧血ついて原因と症状をご紹介しました。貧血がひどくて不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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