救急車のサイレンの意味と到着時間 鳴らさない時があるのはなぜ?なぜ救急車に配慮が必要?
- 作成:2016/01/18
救急車のサイレンは、「緊急である」、つまり搬送スピードが患者の命にかかわるという判断を、救急隊や受け入れ先の病院が判断した場合に鳴らされるものです。鳴らしていないときは、緊急性がない場合になります。日本における救急車到着、病院搬送の平均時間と合わせて注意点を、医師監修記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
救急車のサイレンの意味は「緊急性」
救急車のサイレンは緊急性を表現しています。サイレンと赤色灯は両方使用していないと「緊急車両」の扱いにならないため、赤で交差点を走りぬけたりはできません。
サイレンには2種類あります。通常は「ピーポー」という音です。こちらは道路を普通に走っているときのサイレンです。もう1つは「ウー」というサイレンで、交差点に進入するときや車を追い越す時、反対車線にはみ出す時など、特に周りの車や歩行者に注意をうながす時に使用します。
そのほかに特殊なサイレンが2種類あります。1つは住宅モードです。これは通常のサイレンを数オクターブ下げたものです。もう1つは「ハーモニックサイレン」と呼ばれ、遠くまで音が響かないようにされたサイレンです。特殊なサイレンは、近隣の住宅や病院の入院患者などに配慮して使用されます。
なぜ鳴らさない時がある?
サイレンを鳴らさないで走っている救急車は患者を搬送した帰りや、訓練、車両整備のための移動などがあります。また複数の救急車が出動して、患者を載せなかった場合や誤報で出動した場合などの場合もあります。
到着は8.5分、搬送は39.3分
2013年の消防庁の報告では119番通報から現場到着までの時間は全国平均で8.5分となっていて、前年と比較して0.2分伸びています。考察としては、救急車の出動件数が増加し、現場から一番近い場所の救急車が出動できず、近隣の場所から出動が増えているためと報告されています。
搬送時間の平均は39.3分で、前年と比較して0.6分増えています。その理由としては現場に近い救急車が対応できない場合、近くの病院の情報がわかりづらいことや現場で初期治療ができる救命救急士などによる応急処置の時間が含まれるためと考えられています。
医師は再搬送にならないように配慮している
救急隊が現場に到着すると、患者の体温・血圧・脈拍・呼吸状態などを把握してどの病院、どの科にかかると良いのか判断します。近くの病院はどこか、対応できる科はどの病院にあるのか、患者のかかりつけの病院はどこかといった情報から、病院に連絡を取り受け入れが可能かどうか確認をします。
連絡を受けた病院側は救急隊から聞いた患者の状態に基づいて、受け入れが可能か、適切な科で対応が可能か、入院が必要そうであれば入院のベットが空いているかといった情報から返事をします。患者やその家族としては一刻も早くどこでもよいから病院に連れて行ってほしいと考えている人もいるかもしれませんが、その病気に対応できない病院で受け入れをすると、結局再び救急車を要請して対応できる病院に再搬送となるため、患者にとって不利益になってしまいます。そのようなことがないように、救急隊と病院は連携をとっています。
救急車や消防車には配慮を
サイレンを鳴らし赤色灯をつけた救急車は緊急車両であり、患者の命がかかっています。救急車は誰でも使う可能性があるものです。救急車、そして消防車に対してもその運行を邪魔することがないよう普段から気を付けましょう。
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救急車のサイレンの意味や到着時間、搬送時間などをご紹介しました。自分の状態に不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。
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