心療内科とは?どんな症状を診る?精神科とはどう違う?
- 作成:2016/03/01
心療内科とは、「心身症」、つまり心が原因で体の症状が出ている状態の病気を診療します。精神科との違いや、具体的な病名などを、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
心療内科とは?心身症とは?
「心療内科」は「主に心身症をみる科」と考えてください。では「心身症」とはどういう病気でしょうか。日本心身症学会では「身体疾患(病気)の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態」と定めています。ただし神経症やうつ病などほかの精神障害に伴う身体症状は除外されます。
現代社会ではストレスのない人はほとんどいませんが、そのストレスが原因となって様々な身体症状が表れたものが心身症といえます。たとえば「受験勉強のストレスで胃潰瘍になる」「仕事のことが気になって寝られない」「夫婦仲が悪く血圧が高い」といった状態が考えられます。
だれでも一時的には、ストレスなどが原因で、体に症状が出る状態になったことがあるかもしれません。また、症状はあったものの病院を受診する前に、ストレスが解消して、自然に治ってしまうこともあります。しかし、ストレスが長期に解消されなかったり、症状が強くて治療が必要な人が受診するのが心療内科です。
心療内科と精神科の違い 受診の目安
以前は「心療内科」という診療科の名前をかかげているところが少なかったため、ストレスが原因で病気がなかなか治らない場合は、精神科を受診するように言われることがありました。しかし、今では心療内科が多くみられるようになりました。では精神科と心療内科は何が違うのでしょうか。
その違いは精神科は「心が原因で心の症状が出ている人」、心療内科は「心が原因で体の症状が出ている人」を担当するということです。過剰なストレスがかかり、うつ病になってしまった場合は精神科、下痢が続いている人は心療内科、という風に考えます。
ただし、現状では精神科・心療内科と同じ病院が2つの科を標榜していることはよくあります。なぜなら、症状は違うものの、原因は同じ心の部分であるからです。そして、原因を治療すると症状が改善するのは心も体も同じであるからです。そのため体に症状が出ていて、本来は心療内科にかかる人であっても、精神科で同じように治療を受けることは可能です。
心療内科で扱う疾患
心療内科で扱う主な病気の名前は、以下の通りです。
心療内科でよく扱われる疾患を挙げます。
胸の症状:心臓神経症・過換気症候群・肋間神経痛
おなかの症状:機能性胃腸障害・過敏性腸症候群
頭の症状:緊張性頭痛
その他:自律神経失調症・慢性疲労症候群・心的外傷後ストレス障害・ペットロス症候群・睡眠障害
心療内科の診断書 最多は休職
ほかの病気と同じように、病名を届け出る必要があるときに診断書は書いてもらえます。しかし、心療内科で診断書を書いてもらうことが最も多いのは休職が必要なケースと思われます。心身症のすべてが休職しなければいけないわけではありません。しかし、会社や仕事がストレスの原因である場合で、薬を飲むなどの治療を行っても改善しない場合には、診断書を発行して、ストレスから遠ざかることが治療となります。したがって診断書の内容は、病名と、どれくらいの期間の休職が必要かが記載されます。
【医師による医療ページ評価 - Doctors Review】
心療内科について、ご紹介しました。もしかして心療内科に受診したほうが良いかもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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