親知らずとは?生えない人、痛くない人がいる?向きは様々?何歳が危険?痛くなければ処置はいらない?
- 作成:2016/09/09
親知らずは、15歳ごろまでに生えそろう普通の永久主と違って、10代後半から、20代までに生えます。生えない人がいるのかや、痛みも含めて、歯科医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
そもそも「親知らず」って何?上も下生える?
親知らずは一番前にある歯から数えて8番目の歯で、通常は上あごの左右2本、下あごの左右2本の計4本生えてきます。「第三大臼歯」や「智歯(ちし)」とも呼ばれています。永久歯の中で、最後に歯の最も奥に生えてくるので、生えるスペースがなく横向きや斜めに生えてしまいトラブルを起こすことがあります。
親知らずが生える年齢 生えない人がいる?
他の永久歯は15歳ごろに生えそろいますが、親知らずが生えてくるのは他の永久歯よりも遅く10代後半から20代です。親が気付かない間に生えるため、『親知らず』と呼ばれています。
親知らずは、欠損して生えてこないことがよくあり、必ずしも4本全てが生えてくるわけではありません。4本全て、親知らずがあっても、スペースがなくて、骨の中に埋まったままになっていて外に出てこないこともあります。
親知らずが痛くない人もいる?痛くなければ対処不要?
親知らずが痛くなってしまう原因は主に 「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と「むし歯」です。
「智歯周囲炎」とは、親知らずの周りの歯茎にプラーク(歯垢)が溜まったままの状態が続き、細菌が繁殖、歯茎に炎症を起こしている状態のことを言います。一番奥に位置すること、構造がいびつになってしまうことから、親知らずの周囲をきれいにすることが困難になってしまって、プラークが残って、痛くなってしまいます。
親知らずが痛いもう一つの主な原因は、「むし歯」です。生えかけの歯は磨きにくいことに加え、むし歯になりやすい未熟な構造をしています。そのため、親知らずがむし歯になってしまい痛みがでてしまうことがよくあります。
親知らずは、腫(は)れやすく、むし歯になりやすいですが、腫れたりむし歯になったりしていないときは、抜歯などの処置を行う必要はありません。きちんと歯磨きを行ってプラークを取り除けば、多くの場合、痛くなりません。親知らずが生えてきたら、太めの歯間ブラシやタフトブラシ(小さいブラシ)を補助的に使用して、痛みがでないようにしましょう。
ただし、レントゲン写真上で親知らずの周りに何らかの病気が認められた場合や矯正治療に必要である場合は、痛みがなくても抜歯を行うことがあります。
親知らずが横向きに生える?多様な生え方
骨の中に歯全体が埋まっている「完全埋伏歯(まいふくし)」と、骨から歯の一部が外に出ているけれど完全に外に出るスペースがない「半埋伏歯」があります。痛みや腫れを引き起こしてしまうのは半埋伏歯がほとんどです。
下の歯は、下あごに対して水平に移動し、斜めに向きを変えた後、外に出てきて真っ直ぐ生えそろいます。しかし、歯が生えるスペースがない場合は下あごに対して水平のままになったり、斜めに生えてきたりして完全には外にでず、半埋伏歯になってしまいます。
上の親知らずは、横向きに生えることはまれですが、頬側に斜めに生えることや、一本前の歯にひっかかり、生えそろわないことが多くあります。また、下の親知らずが正しく生えていないため、伸びすぎて頬や下あごの歯茎を傷つけることもあります。
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親知らずの基礎知識について、ご紹介しました。もしかして○かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、歯科医師に気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
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