歯周病の原因 菌が影響?キスなどで他人うつる?

  • 作成:2016/10/13

歯周病の原因となる菌は、口の中に常に存在している菌です。キスなどで他人にうつす可能性があります。どのような菌なのかを含めて、歯科医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

歯周病の原因となる菌はどんなもの?

歯周病の原因となる菌は、普段から口の中に住んでいる「常在菌」と呼ばれるタイプの菌で、多くの細菌が歯周病と関連があるといわれています。

多くの歯周病菌の中でも、以下の3つは特に歯周病との関連性が強いとされています。

・Prophyromonas gingivalis(P.g.菌)
・Tannerella fosythia(T.f.菌)
・Treponema denticola(T.d.菌)

これらの細菌は、コラーゲンやタンパク質を分解する毒素を出します。毒素によって歯を取り巻く組織が破壊され、歯周ポケットが深くなり、歯を支えている骨が溶かされてしまいます。

また、歯周病によって口臭がでてしまうことがあります。これは、主に「Prophyromonas gingivalis(P.g.菌)」が原因だと考えられています。Prophyromonas gingivalis(P.g.菌)が歯周ポケットや舌の上で繁殖し、硫化化合物を作ることによって歯周病独特の口臭が出てしまいます。

歯周病を発症する原因は?

歯周病の主な原因は、歯垢(しこう、プラーク)です。歯垢1gの中には、1億個もの細菌がいます。歯垢を磨き残し、何日も付いたままになっていると、歯周病菌が増えてしまい、歯茎が腫れて赤くなったり、出血したりします。

さらに長い間、歯垢が付いた状態が続くと、歯周病菌が、コラーゲンやタンパク質を分解する毒素を出し、歯の周りの組織が壊され、歯と歯茎の間の隙間が深くなってしまいます。この隙間が、「歯周ポケット」です。歯周ポケットが深いほど歯周病が進行しています。

また、歯周病は歯肉炎と違い、歯を支えている骨が溶かされる病気です。歯周病によって支えを失った歯は動揺するようになり、重度の場合は抜け落ちてしまいます。

歯周病の原因は、磨き残した歯垢だけではありません。疲れやストレスなどによる免疫力の低下や、喫煙、妊娠や閉経など女性ホルモンの変化、糖尿病、歯ぎしりなど良くない習慣も歯周病の原因となります。

歯周病は他人にうつる?キスでうつることがある?

歯周病菌は他人にうつることがあります。特に、前歯が生えそろったころから、奥歯が生えそろうころまでの、乳幼児は、むし歯菌や歯周病菌が親など他の人から移行してしまいます。むし歯菌や歯周病菌が口の中にいても、口の中が清潔にたもたれていれば、むし歯や歯周病にはなりません。

むし歯菌は大人になって新たに感染することはありませんが、歯周病菌はキスや口移しでうつることがあります。きれいにブラッシングができている人からは歯周病菌が移行することがないと言われているので、日ごろから口の中を清潔にするようにし、また疲れやストレスを溜めこまず免疫力をアップするように心がけておくのが良いでしょう。

歯周病の原因などについてご紹介しました。

病気・症状名から記事を探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行

協力医師紹介

アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。

記事・セミナーの協力医師

Q&Aの協力医師

内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。

Q&A協力医師一覧へ

今すぐ医師に相談できます

  • 最短5分で回答

  • 平均5人が回答

  • 50以上の診療科の医師