歯周病の治療 歯磨きや歯磨き粉に効果?薬は使う?治療期間の目安は?
- 作成:2016/10/13
歯周病を治療しようと思ったときに大事になるのは、歯磨きになり、歯磨き粉は補助的な効果を発揮します。薬を使う場合もあります。薬の種類や治療期間を含めて、歯科医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
歯周病は歯磨き粉で治療できる?どんなものを選べばよい?
歯周病は、「歯垢(プラーク)」の中にいる歯周病の原因となる細菌が、歯を支えている組織を攻撃して起きてしまいます。歯周病の予防や治療に欠かせないのは、きちんと歯磨きを行うことです。歯ブラシで、食べかすや歯垢を、鏡を見ながら、一本一本ずつ物理的に磨くことが最も大切です。
歯磨き粉は、補助的に予防や治療に役立ちます。歯磨き粉は、主に研磨剤や発泡剤また香料などの基本成分と、薬効成分で構成されています。歯周病の予防や治療には、以下の成分が含まれているものがおすすめです。
・殺菌作用(イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化クロルヘキシジンなど)
・抗炎症作用(サリチル酸メチル、トラネキサム酸など)
・歯石予防作用(ポリリン酸ナトリウム)
・歯垢分解作用(デキストラナーゼ)
・フッ素
歯磨き粉に表記されている薬品をチェックして購入するようにしましょう。歯磨き粉は、高価な方が、効果が高いように思いがちですが、求めやすいもの、使用感がよいものを選ぶようにしましょう。
歯周病の治療で薬を使う?抗生物質を使う?
歯周病の治療では、抗生物質を使用することがあります。抗生物質を使用するのは、歯肉が赤く腫れて痛みがあるとき、歯周病菌の全体量を減らしたいときです。 歯周病のためによく処方される抗生物質としては、セフェム系の「セフゾン」や「フロモックス」などが一般的ですが、マクロライド系の新しい抗生物質「ジスロマック(アジスロマイシン)」が処方されることがあります。
「ジスロマック」はもともと耳や鼻、呼吸器の感染症や、クラミジアの薬として使用されていましたが、近年歯周病にとても有効であるこがわかり、使用されるようになりました。しかし、副作用として下痢になってしまうことがあります。
抗生物質を使用は、歯磨きでは取り除くことが困難である歯周ポケットの中の細菌量を減らすので、治療にとても効果的です。しかし、必要以上に使うと、抗生物質に耐性ができ取り除くことができない細菌ができてしまうので、乱用は禁物です。
歯周病の治療期間はどれくらいかかる?
歯周病の基本な治療の流れは、以下の通りです。歯周病の精密検査(歯周ポケットの深さ、デンタルX線写真での画像検査など)をし、ブラッシング指導により歯肉の上にある縁上歯石を除去します。
きれいに歯磨きができるようになったら、「スケーリング」や「ルートプレーニング」というものを行って、歯周ポケットの中の、歯石を除去して、なめらかでつやのある歯の表面にします。腫れや痛みがある場合は抗生物質の投薬をします。
その後、再検査(歯周ポケットの深さの検査やレントゲン写真による検査)をして、深い歯周ポケットが残っている場合は、再度「スケーリング」や「ルートプレーニング」を行います。また、噛み合わせを調整することがあります。
歯周病の重症度にもよりますが、歯周病の基本治療には約3カ月から半年程度要します。
基本治療が終わった後、深い歯周ポケットが残っていると判断された場合は、歯周ポケットを改善して、歯の保護を長持ちさせるため手術を行うことがあります。
歯周病の基本治療が安定した状態になると、3カ月から半年に1回、歯科医院でメンテナンス(SPT)を行っていきます。メインテナンスによって歯石を除去したり、噛み合わせをチェックしたりすることによって、歯周病の再発を防ぎます。
歯周病への歯磨きや歯磨き粉の効果、治療についてご紹介しました。
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