軟膏やクリーム…何が違う?自分に合った塗り薬の選び方
- 作成:2021/08/19
同じ塗り薬でも、「軟膏」や「クリーム」、「ローション」といった種類がありますが、これらは何が違って、どう使い分ければ良いのでしょうか。 ※この記事は医師監修のもと、作成しております
この記事の目安時間は3分です
Q.「軟膏」「クリーム」「ローション」は、何が違う?
A.薬の効果としては同じだが、使用感が異なり、皮膚の状態によって使い分ける。
同じ塗り薬の「軟膏」・「クリーム」・「ローション(外用液)」は、薬の成分としては全く同じものです。そのため、基本的にはどれも同じ目的で使います。しかし、薬を溶かし込んでいるベースの基材が異なるため、使用感や皮膚への刺激の強さに差があります。
「軟膏」~べたつきが強く使用感は悪いが、刺激は少なくどんな状態の皮膚にでも使える
「軟膏」は、塗り薬の最も一般的なタイプです。油に薬を溶かし込んでいる製剤のためべたつきが強く、使用感はあまり良くありません。これが理由であまり人気のある塗り薬ではないのですが、べたつきが強いということは、それだけ汗などでも簡単にとれない、付着力が強い、ということでもあります。
また、「軟膏」は皮膚への刺激が非常に少ないという長所もあります。そのため、皮膚に傷がある、ひびわれがある、患部が乾いている・湿っているといった状態にかかわらず、どんな状況でも使うことができる、万能型の製剤と言えます。どのタイプを選べば良いか迷ったときは、とりあえず「軟膏」を選んでおけば、間違いはありません。
「クリーム」~バランスの良い、使い勝手の良いタイプ
「クリーム」は、「軟膏」よりも柔らかく延ばしやすいクリームに薬を溶かし込んでいるタイプの製剤です。「軟膏」よりも使い勝手がよく、使った後のべたつき感も少ないのが長所です。一方で、「ローション」ほど刺激も強くないため、使用感の良さと刺激の少なさのバランスがとれた製剤と言えます。
「軟膏」よりもべたつきが少なく、「ローション」よりも刺激の少ないものが欲しいときに、ちょうど良い中間型です。
「ローション(外用液)」~刺激は強いが、使い心地の良い人気の剤型
「ローション(外用液)」は、溶液に薬を溶かし込んでいるタイプの製剤です。薬を塗ったあとにすぐ乾くため、べたつきが非常に少なく、使用感がとても良いのが長所です。しかしその一方で、添加物としてアルコールなどが使われていることも多く、皮膚への刺激が強いという欠点もあります。皮膚に傷があると沁みたり、あるいは皮膚に新たなかぶれを起こしたりすることがあるため、皮膚の状態によっては避けた方が良い場合があります。
また、毛髪がある部分でも皮膚に薬が届きやすいことから、頭部などに塗り薬を使う場合は、この「ローション(外用液)」タイプが選ばれることもあります。
迷ったときは、医師・薬剤師者に相談を
同じ有効成分の塗り薬であっても、軟膏・クリーム・ローション(外用液)といった剤型の違いによって、適した部位、適した場面は細かく異なります。間違った選び方をすると、治療がうまくいかないだけでなく、かえって皮膚の状態を悪化させてしまうこともあります。そのため、どのタイプの薬を選べば良いかは、自分の好みも含めて主治医や薬剤師に相談するようにしてください。
また、一般用医薬品(OTC医薬品)には、この他にもパウダースプレーやジェル、医療用でもスプレーやフォームタイプのものがある場合もあります。自分に合ったものを購入できるよう、医師や薬剤師と相談して選ぶことをお勧めします。
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