日常的に起こる頭痛の原因は? タイプ別の特徴と対処法
- 作成:2021/10/23
日本人の3人に1人が悩んでいるという頭痛。そのタイプや原因、症状はさまざまで細分化すると300種類以上にも分類されます。命に関わる病気による頭痛もあり、対処を間違えるとかえって悪化することもあります。改善の第一歩は、まず自分の頭痛がどのタイプの頭痛なのかを知ることです。
この記事の目安時間は3分です
緊急事態の頭痛と慢性頭痛を見分ける
頭痛は、大きく一次性頭痛と二次性頭痛とに分けられます。二次性頭痛は緊急に対処が必要な頭痛で、くも膜下出血、脳出血、脳炎など、脳や頭部の病気の症状として起こり、命に関わることがあります。下記のような状態のときは、すぐに医療機関を受診してください。
□突然、頭痛が起こった
□いつもの頭痛とは違う
□頻度や痛みが増していく
□50歳を過ぎて、はじめて頭痛が現れた
□頭痛以外に、物が二重に見える、発熱、吐き気、嘔吐、首周辺の硬直、手足のマヒ、ろれつが回らない、認知機能の異常などの症状がある
一方、一次性頭痛は“頭痛持ち”とも呼ばれる慢性頭痛で、一時的な脳の異常で起こります。頭痛の約9割は、この一次性頭痛で、症状の特徴から緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛に分けられ、それぞれきっかけや対処法が異なります。自分の頭痛がどの頭痛の可能性があるのか、次の表でチェックしてみてください。
慢性頭痛チェック表
頭痛が起こるきっかけを知り対処する
緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛では、それぞれ起こるきっかけ、対処法が違います。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は最も多い頭痛で、身体的・精神的なストレスから起こると考えられています。長時間うつむくなど無理な姿勢を続けると、首から肩の筋肉が緊張し血流が悪くなり、疲労物質がたまって頭痛が起こりやすくなります。
日頃から体を動かし、こり固まらないようにするのが大切です。パソコンなどの作業では休憩を入れ、首や肩のストレッチで筋肉をほぐします。入浴は、シャワーだけでなく湯船につかりリラックスを。生真面目で几帳面なタイプの人が緊張型頭痛を起こしやすいといいます。ストレスをため込まず、うまく発散することも大切です。
片頭痛
片頭痛は、10〜20歳代で始まることが多く、女性に多い傾向があります。ホッと一息つく休日に起こりやすいといいます。頭痛発作が起こると4~72時間程続き、きつい痛みで寝込んでしまう人もいます。前兆で「閃輝暗点(せんきあんてん)」というギザギザ・キラキラした眩しい光が見えたり、視野の半分が見えなくなる「半盲(はんもう)」になることがあります。また、気持ちが沈む、イライラする、食欲不振などの予兆がみられることもあります。
チョコレート、チーズ、 化学調味料、アルコールなどの食品が誘因になる場合があるので、心当たりがあれば控えることで予防になります。空腹、寝過ぎ、寝不足が頭痛の引き金なることがあるので、規則正しい生活を。禁煙やストレスをためないことも大切です。
群発頭痛
群発頭痛は男性に多く、1~2カ月にわたり、ほぼ毎日、同じ時間帯に激しい頭痛が発作的に起こります。原因は、はっきりわかっていませんが、アルコールは発作に影響するので、頭痛が起こっている期間中は禁酒しましょう。
詳しい頭痛の記録をつけてコントロールする
慢性頭痛は、緊張型頭痛と片頭痛が複合で起こるケースもあり、症状の程度やきっかけも人それぞれ、かなり複雑です。自分自身の頭痛をより的確に把握するためには、「頭痛日記」をつけることをおすすめします。頭痛が起こった日時、痛みの様子、続いた時間、ほかに起こった症状、薬の服用などを細かく記録することで、自分の頭痛の傾向と対策を立てやすくなります。
頭痛持ちの人の中には、市販薬を常備し、その都度対処している人もいますが、自己判断での使い過ぎには注意が必要です。「薬剤の使用過多による頭痛」を起こすことが少なくないからです。また、群発頭痛には通常の鎮痛薬はほとんど効きません。頭痛をこじらせてしまう前に、頭痛日記を携えて頭痛専門の医療機関を受診してください。
参考
公益財団法人日本医療機能評価機構
https://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/3/pub0025/G0000157/0002
慢性頭痛の診療ガイドライン2013
https://www.jhsnet.net/GUIDELINE/gl2013/gl2013_main.pdf
中間法人日本臨床内科医会
https://www.japha.jp/doc/byoki/011.pdf
一般社団法人日本頭痛学会
https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_know.html
https://www.jhsnet.net/pdf/headachediary.pdf
関連する記事
このトピック・症状に関連する、実際の医師相談事例はこちら
病気・症状名から記事を探す
- あ行
- か行
- さ行
-
- 災害
- 再放送
- 子宮外妊娠
- 子宮筋腫
- 子宮頸がん
- 子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん
- 子宮頸がん検診・検査
- 子宮頸がんの症状
- 子宮頸がんのリスク・予防
- 子宮内膜症
- 脂肪肝
- 手術
- 出産後の症状・悩み
- 出産準備・入院
- 食事・授乳・ミルク
- 食欲
- 心臓病
- 自閉症
- 女性
- 自律神経失調症
- 腎炎・腎盂炎
- じんましん(蕁麻疹)
- 膵臓がん
- 睡眠
- 髄膜炎
- 頭痛薬、副作用
- 性器の異常・痛み
- 性器ヘルペス
- 性交痛
- 成長(身長・体重など)
- 性病検査
- 性欲
- 生理痛(生理・月経の痛み)
- 生理と薬(ピルなど)
- 生理不順・遅れ(月経不順)
- 摂食障害
- 切迫早産
- 切迫流産
- セミナー・動画
- 前立腺
- その他
- その他アルコール・薬物依存の悩み
- その他胃の症状・悩み
- その他うつの病気・症状
- その他エイズ・HIVの悩み
- その他肝臓の病気
- その他外傷・怪我・やけどの悩み
- その他心の病気の悩み
- その他子宮頸がんの悩み
- その他子宮体がんの悩み
- その他子宮の病気・症状
- その他出産に関する悩み
- その他腫瘍の悩み
- その他消化器の症状・悩み
- その他腎臓の病気・症状
- その他生理の悩み・症状
- その他臓器の病気・症状
- その他皮膚の病気・症状
- その他卵巣がんの悩み
- その他卵巣の病気
- その他流産の症状・悩み
- た行
- な行
- は行
- ま行
- や行
- ら行
協力医師紹介
アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。
記事・セミナーの協力医師
-
白月 遼 先生
患者目線のクリニック
-
森戸 やすみ 先生
どうかん山こどもクリニック
-
法村 尚子 先生
高松赤十字病院
-
横山 啓太郎 先生
慈恵医大晴海トリトンクリニック
-
堤 多可弘 先生
VISION PARTNERメンタルクリニック四谷
-
平野井 啓一 先生
株式会社メディカル・マジック・ジャパン、平野井労働衛生コンサルタント事務所
Q&Aの協力医師
内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。