つわりの原因と悪化要因 自分でできる対処法は?
- 作成:2015/12/24
つわりは妊婦さんの50~80%に認められ、吐き気や嘔吐などの症状が起こります。妊娠6週前後に始まり6週間くらい続きますが、程度や期間には個人差が大きいのが実態です。原因は不明ですが、自分でできる対処法があります。専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
吐き気や嘔吐が起きるつわり
つわりは妊娠によって悪心(吐き気)・嘔吐などが起こる状態ですが、様々なことがつわりに関与していると考えられています。妊娠が成立した後つわりが出る人は、妊婦全体の50~80%と言われています。さらに、つわりは初めて妊娠する人に多いことが分かっています。また、つわりは妊娠6週ころから出てきますから、それ以前に検査で妊娠が分かりれば、その後つわりの症状が現れることがあります。当然、つわりの症状がでてきたことで妊娠が分かるというケースもあります。
つわりの原因としては、妊娠に伴う内分泌の変化、代謝性の変化、精神的変化などが考えられていますが、はっきりした原因は定かではありません。つわりは妊娠6週ころから始まり、12週ころに症状がなくなることが多いです。妊娠によって女性の体内も外見も変化します。その変化に順応するため、つわりという症状が起きている可能性があります。
つわりの症状を悪化させる運動と栄養の不足
つわりの症状を悪化させるものとしては、運動や栄養摂取不足などが挙げられます。運動や家事は妊婦の負担になり、つわりの症状が悪化することがあります。また、妊婦は子どもと自分の分の栄養を取る必要があり、どうしても栄養が不足しがちになります。さらに、つわりによって吐き気や悪心などがあると、食欲が下がることで体内の栄養がより不足し、つわりの症状がさらに悪くなるという悪循環におちいってしまいます。
薬の個人輸入は危険
つわりに対して使われる薬は、つわりの症状に対する薬しかなく、つわりの原因を絶つ薬はいまだ存在しません。吐き気や悪心に対しては制吐剤といった吐き気止めの薬や、漢方薬などが処方されます。栄養不足に対してはビタミン剤などが使われ、栄養不足の改善や症状を和らげる目的で使われます。また、最近ではアメリカのFDA(米国食品医薬品局)が妊娠中の吐き気・嘔吐に対する薬を認可しました。しかし、この薬は、日本でまだ認可されていないため、現時点で日本では使うことはできません。
つわりに限らず、世界には様々な薬が存在していますが、海外から薬を個人的に輸入してはいけません。薬には良い面もあれば、副作用という怖い一面も持っています。以前、妊娠のつわり症状改善のため、サリドマイドという薬剤が使われました。この薬剤を使用した妊婦の赤ちゃんの中には、奇形の赤ちゃんが生まれたり、死んでしまう赤ちゃんもいました。輸入した薬の中には、未知の副作用がある場合があります。つらい時は医療機関を受診し、適切な治療薬を処方してもらうのがよいでしょう。
「食べたたいときに食べる」の重要性
つわりの症状が一時的にひどくなった場合には、先ほどの「悪化させる原因」の考え方を応用すると効果がある場合があります。つわりを悪化させる原因は運動と栄養不足が主な原因です。運動は家事を含めますが、つわりがひどい時にはできるだけ安静にしましょう。そして、体を動かさなくてよい趣味、例えば読書や音楽鑑賞などをすることで、意識をつわり以外のことに集中させるとよいでしょう。また、家事や仕事を無理にしないことも重要です。近年、仕事をする女性は増えているため、家事と仕事の両方をこなす女性も少なくありません。ただ、つわりがひどくなった時は仕事を休んだり、家事を夫や他の家族に任せましょう。これには、ご家族や職場の人たちの理解と協力が必要です。
栄養不足への対応として、少しでも栄養を取るために、食べたいものを食欲があるときにとることが大事です。朝・昼・晩決まった時間に、バランスの良い食事できるのが理想ですが、つわりの症状がひどいときは無理しないようにしましょう。
つわりの原因についてご紹介しました。ひどいつわりが続いて不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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