水頭症の後遺症、予後、寿命への影響は、リハビリの効果 放置すると半数が死亡
- 作成:2016/01/18
水頭症は、治療をしなければ、死にいたる可能性があるほか、知能の低下が麻痺(まひ)などの後遺症が残ることがあります。適度な運動などのリハビリが有効ですので、医師らに相談することをお勧めします。リハビリや後遺症の内容や考え方を、医師監修記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
水頭症で後遺症が残る恐れがある?
水頭症の場合、「シャント術」という手術を行います。シャント術が有効でない場合もありますが、基本的には手術で、水頭症の症状自体は改善を示すことが多いです。ただ、治療前に影響を受けた部位によって知能の回復や、後遺症の有無は変わります。
水頭症を放置も後遺症リスクに
水頭症は放置すると約半数は死に至ります。死に至らない場合でも、水頭症の放置は、知能の低下や麻痺(まひ)、言語障害といった神経障害が後遺症として高い確率で残ります。そのため、定期的なフォローアップのため病院を受診する必要があります。
正常圧水頭症の場合の影響とは?
また、「正常圧水頭症」という種類の水頭症では記憶力や理解力が低下するなど、認知機能が低下することもあります。認知機能の低下を防ぐために、字を書く、本を読む、将棋をするといったことも有効です。
水頭症にリハビリは有効?
水頭症は脳に起こる疾患の一つですから、脳梗塞や脳出血と同様、リハビリテーションが有効な疾患です。例えば、歩行が可能であれば、散歩をするというリハビリテーションを行うことができます。歩くことは身体的な機能の維持・向上に重要で、脳への刺激にもなりますので、適度な散歩は非常に有効です。しかし、歩行が安定したからといって、転倒する恐れはありますので、近くに誰かがいる状態にしていくなどの注意が必要です。
正常圧水頭症をふくめて、いずれの場合であっても、適度なリハビリテーションを行う必要があります。患者によってリハビリテーションの強度は異なりますので、患者、段階に合わせたリハビリテーションを実施する必要があります。定期的に医師や理学療法士に相談するのが良いでしょう。
水頭症患者の予後は?
水頭症の予後は多くの要因に左右されます。水頭症の治療は「脳室-腹腔シャント術(脳から腹腔内へ髄液を流す手法)」など外科的に行われます。その結果、認知機能の低下や手足のしびれといった症状が改善したり、悪化傾向が止まったりします。
しかし、中には治療の効果が乏しく、水頭症の症状があまり改善しない、さらに症状が悪化する場合もあります。例えば、シャント術を行ったものの、シャントシステムのトラブルがあるためにシャント量(脳内以外に流しだす量)が不足する、逆に過剰になる場合があります。シャント量が不足すれば水頭症の治療としては不十分ですし、シャント量が多ければ脳ヘルニアのリスクも上昇します。
また、水頭症の原因となっている病気が他にある場合、シャント術だけでは対症療法となり、治療不十分の可能性もあります。手術をしても症状の改善が見られない場合、水頭症をきたしうる病気が隠れているかどうかを確かめる必要があります。
上記の通り、水頭症の予後には、手術の効果や背景にある病院の有無など、様々な原因が絡んでおり、原因を明確にして、対応することが水頭症の予後を大きく左右することになります。
水頭症患者の寿命は?
水頭症はシャント術によって機能改善が見られることが多いのですが、中には水頭症で亡くなる方もいます。無治療で経過した場合やシャント術の効果がおもわしくない場合は、その影響により死に至りますが、治療が効果的であれば十分な時間を生きることができます。つまり、水頭症患者の寿命はもともとの病気と、シャント術の効果の程度によって決まるため、一概に寿命を言うことはできません。
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水頭症について後遺症やリハビリの重要性などをご紹介しました。身近な人の水頭症で不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。
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