研修医とは?期間、制度、年齢がばらつく理由を解説 「自分の担当が研修医」でも大丈夫なワケも教えます
- 作成:2016/02/22
研修医とは、国が決めた研修を受けている途中の医師のことです。通常は2年となっていますが、それ以上の場合もあります。研修医の制度などについて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
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研修は普通2年間
現在の研修医は厚生労働省で定めた「新医師臨床研修制度」で研修を受けている医師のことです。この制度は2004年より実施されており、それまでは、「できる限り臨床研修を行うこと」となっていたのが、必修に変わりました。
研修が必修になった背景として、それまでの医師の中には、医師免許取得後、研修を受けても専門分野に限られていたりして、専門分野の診療はできても、他の病気が診られないといったことがありました。そのため、ある程度一般的な病気についての研修を受けること、そして「病気を診るのではなく、人を診る」医師を増やすことを目的とした制度改革でした。
期間は2年以上と定められており、普通は2年間ですが、病院によってはそれ以上の期間の研修を行うところもあります。
研修医が受ける「マッチング」とは?
実際に医師が研修制度を受けるときはどのように進んでいくのでしょうか。研修は国が定めた研修病院でしか行うことができません。まず研修を希望する人は「マッチング」というシステムで申し込みます。これは研修を希望する人が、研修を受けたい病院の希望順位を提出します。同様に研修病院も研修を受け入れたい人の順位リストを作成します。そして「医師臨床研修マッチング協議会」という組織で調整されて、研修医が研修を受ける医療機関が決定します。
研修内容については、内科と救急を必修とすること、1か月以上の地域医療研修をいれることなどの決まりはありますが、その決まりを守っていれば、あとは病院ごとの特色を出した内容となっています。
研修医の年齢にばらつきがある理由
現在の研修制度は医学部を卒業後、医師国家試験を合格した人が受ける研修です。そのため、一番若い方で24歳から研修医になれます。しかし実際は医学部に入学するのに浪人していたり、医学部在学中に留年していたり、医師国家試験を1回でパスできなかったりすると、それ以上の年齢で研修に入ります。医学部や医師国家試験は年齢制限がありませんので、一度社会人となってから、医学部に入る方もいて、30代以上の研修医もいます。
病院に行ったら研修医が担当に 大丈夫?
研修医が担当になった場合は、「研修医です」と紹介されます。担当が研修医となると心配になるかもしれませんが、研修医が担当になることでのメリットもあります。
1つは、研修医は多くの患者を担当することは少なく、少人数の患者を担当し、じっくりと診療することが多い点です。そのため比較的時間もあり、普通の診療では話せないような小さなこと、細かいこともじっくり話を聞いてくれることが多いです。
2つ目は研修医には必ず上級の医師がついていることです。基本的に研修医が治療方針を1人で決めることはありません。もちろん、検査の流れや診断の仕方、治療方針の決め方などを学ぶため、研修医はまず自分で予定をたてますが、必ず上級医のチェックを受けます。場合によっては複数の医師と話し合いを行いますので、うっかりミスなどの可能性が減ります。担当医が主治医になるということは2人以上の医師に担当してもらっているのと同じなのです。「研修医」と聞いて、「経験が浅いのでは」と、過度に不安になる必要はないでしょう。
研修医の制度などについてご紹介しました。自分を担当する医師に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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