コーヒー、お茶、酢、玉ねぎなどの高血圧への影響・効果
- 作成:2016/04/19
高血圧に対しては、様々な食べ物の効果を聞くかもしれません。コーヒーやお茶以外にも、様々な食品を含めて、高血圧にどう作用するかを、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
高血圧とコーヒーの関係
カフェインには、心臓に作用して血圧を上昇させる効果があるといわれており、コーヒーも飲むと血圧が上がると以前はいわれていましたが、近年ではむしろコーヒーの摂取は高血圧の危険性が減るという報告が増えています。
普段コーヒーを飲まない人がコーヒーを飲むと一時的に血圧は上がりますが、その上昇は軽度で、かつ数時間で元に戻ります。常習的にコーヒーを飲む人ではこの反応もみられず、コーヒー1杯の摂取では特に血圧が変化しません。アメリカでは1日コーヒーを4杯以上飲む人は高血圧になりにくいという研究結果が出ていますが、日本人でも同じかどうかは不明です。
高血圧とお茶の関係
お茶にはいろいろな種類がありますが、成分でみてみるとカテキンを含むもの、カフェインを含むものなどがあります。
「カテキン」は血圧の上昇を防ぐ効果があるポリフェノールの1種です。ネズミの実験ではカテキンが多く含まれているエサを食べた方が、血圧が上がりにくかったと報告されています。カテキンがよく含まれるのは緑茶などあまり発酵させていないお茶です。
カフェインはコーヒーでも説明したように心臓に作用する効果もありますが、同時に利尿効果もあります。カフェインを含むコーヒー・紅茶・コーラではそれぞれ血圧に違う反応が見られており、カフェインが含まれているからといって、血圧に同じような影響を与えるものではないようです。
そのほかにそば茶の「ルチン」や杜仲茶の「ゲニポシド酸」、ドクダミ茶の「ドクダミ」にも血圧を下げる効果があると考えられています。
逆に紅茶は摂取すると若い人でも血圧が上昇する傾向に見られたと報告がありますが、その理由はまだわかっていません。
高血圧とお酢の関係
酢には酢酸という成分がありますが、酢酸を摂取すると体内でアデノシンという物質が出てきます。このアデノシンは血管を拡張させる効果があり、血圧が下がります。実際に酢は毎日摂取すると3か月程度で高血圧の人の血圧を6%下げたという報告があります。この血圧を下げる効果は高血圧の人にだけ見られる反応です。酢の摂取は毎日継続することが重要です。1日の摂取量は大さじ1杯程度でよいと考えられています。
高血圧とグレープフルーツの関係
グレープフルーツには高血圧の予防に有用なカリウムが含まれています。カリウムは体から排出されるときに一緒に余分な塩分も排出されるため血圧を下げることができるのです。これはグレープフルーツに限らず、カリウムを含む食べ物であれば同じ効果が期待できます。
ただし、すでに降圧剤を服用している人は注意が必要です。グレープフルーツは降圧剤の効果を分解する成分に作用し、薬が過剰に効くようにしてしまうことがあります。血圧が下がりすぎると逆に体に害を与えることがあるため、降圧剤を服用している方は医師や薬剤師に確認しましょう。
高血圧と玉ねぎの関係
玉ねぎには「硫化アリル」という成分が含まれています。この成分は。血液中の脂質を減らす効果があり、動脈硬化を防ぐことで血圧を改善させる効果があります。しかしこの硫化アリルは、水にさらされたり熱が加わると効果が減少しますので、調理方法には注意が必要です。
その他に玉ねぎの皮にも血圧を下げる「ケルセチン」という成分があります。これを摂取するためには玉ねぎの皮を煎じて飲む方法があります。
高血圧とチョコレートの関係
チョコレートでも血圧が下がるという報告があります。これはカカオポリフェノールが血管を広げる効果を持っているためです。特に血圧を下げる効果は血圧が正常の人よりも高血圧の人の方で効果が高いことも明らかになりました。しかし糖分の高いチョコレートを摂りすぎるとカロリーの摂りすぎで糖尿病などの病気になってしまう可能性があるため、カカオ70%以上のチョコレートが勧められています。
高血圧と納豆の関係
納豆には血圧を下げるといわれる様々な成分が含まれています。「ナットウキナーゼ」という成分は血栓を溶かす効果があり、血液をサラサラにすることで血圧を安定させます。また「レシチン」という成分は悪玉コレステロールを減少させることで動脈硬化を予防します。さらに「ムチン」という成分は腸の中で糖分や脂肪とくっついて体内に吸収させずに便として出す効果があります。そのため動脈硬化を予防します。
ただし、ワーファリン(血液が固まらないようにする薬の1種類)を内服している人は納豆を摂取してはいけません。納豆に含まれるビタミンKがワーファリンの効果を減少、不安定にさせてしまうためです。
高血圧と様々な食べ物の関係についてご紹介しました。高血圧に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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