ジベルばら色粃糠疹の原因、症状、治療 再発する?予防できる?

  • 作成:2016/05/06

ジベルばら色粃糠疹(ひこうしん)とは、楕円形の小さな発疹が左右対称に出る病気です。原因となっているウイルスはまだ完全に解明されてはいません。治療や再発可能性も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

ジベルばら色粃糠疹とはどんな病気?

ジベルばら色粃糠疹の原因と症状

「ジベルばら色粃糠疹(ひこうしん)」とは、楕円形の小さな発疹が、ほぼ左右対称性にクリスマスツリーのような配列で全身に出てくる病気です。一つ一つの発疹は、周りがカサカサしています。難しそうな名前ですが、「粃糠疹」というのはかさかさとした皮膚のはがれが目立つタイプの発疹のことで、「ジベル」というのは発見した人の名前から来ています。ジベルばら色粃糠疹は元気な人に良くみられる病気で、心配する必要はありません。

「HHV-7(ヒトヘルペスウイルスタイプ7)」というウイルスが、発症に関係しているという研究がありますが、まだ原因についての完全な結論はでていません。症状としては、初めに1個、直径2センチから3センチの大きめの発疹が出てきて、その後全身に多く発生します。発疹は腹部から胸と背中に多く現れ、二の腕や太腿にも多少出ることがありますが、手足の先端や顔には現れません。軽い痒みがあることがありますが、派手に発疹がでても痒みなどの症状はないことが多いようです。

10代から30代にかけてよく見られ、発疹の跡が残ることもなく1カ月から3カ月程度で自然治癒します。内臓疾患との関連性はありません。

ジベルばら色粃糠疹の治療

ジベルばら色粃糠疹の治療ですが、原因が解明されていないので対症療法(症状に対応するための治療)となります。ステロイド外用薬が炎症を抑える目的で用いられますが、普通の湿疹の場合とは異なり、ジベルばら色粃糠疹の発疹は塗っても数日で治るということはありません。自然治癒する皮膚病であり、重篤な病気に繋がることもないことから、医師は「かゆくなったら塗って下さい」という指示を出すことが多いようです。かゆみが強い場合にはかゆみを抑える抗ヒスタミン剤の内服薬が処方されることもあります。なお少し日光浴をすると、効果的なことがあります。

気をつけたいのは、発疹が気になって必要上に心配してしまうことです。放っておけばあとも残らず消えてしまいますから、がまん強く発疹が消えるのを待つというのが大切です。

ジベルばら色粃糠疹の予防と再発可能性

ジベルばら色粃糠疹はウイルスが原因という説がありますが、想定されているのは、ほとんどすべての人の体に潜んでいる性質のウイルスであり、誰かからうつって発症するとは考えられていません。ジベルばら色粃糠疹は伝染することはなく、一緒に生活する家族であっても感染する心配はありません。普通の生活で問題ないでしょう。また、根本的なメカニズムが分かっていないので確実に予防できるという方法はありません。

ジベルばら色粃糠疹はほとんど再発することがありません。再発したと思う場合には、別の病気の可能性があります。

ジベルばら色粃糠疹に罹ったら何科に行くのか

ジベルばら色粃糠疹で特徴的なのは発疹の分布です。初期には診断が難しいこともあり色々な医療機関をめぐるようなことになることもありますが、多く発疹が出れば、皮膚科医は診断可能です。皮膚科を診断するのがよいでしょう。なお、症状が、「典型的なジベルばら色粃糠疹」と言えない場合は、他の病気も考える必要があります。薬疹や梅毒、類乾癬などがジベルばら色粃糠疹に似た症状を起こしますから、薬を飲んでいないか、性感染症の感染の機会がなかったか、いつから出ているかを医師に話すと診断しやすくなります。

ジベルばら色粃糠疹の症状などについてご紹介しました。もしかしてジベルばら色粃糠疹かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

病気・症状名から記事を探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行

協力医師紹介

アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。

記事・セミナーの協力医師

Q&Aの協力医師

内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。

Q&A協力医師一覧へ

今すぐ医師に相談できます

  • 最短5分で回答

  • 平均5人が回答

  • 50以上の診療科の医師