極度のあがり症で、人前で話す時に震えます。なんとか克服したいのですが…
- 作成:2022/01/24
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、極度のあがり症を克服したいというご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
私は極度のあがり症です。人前で発言する際とても緊張してしまい、体が震えてしまいます。少人数でなら緊張しないのですが、20人くらいになると緊張してしまいます。毎朝、会社で朝礼があり、自分が話す順番がくるとビクッと体が震え、汗が出てきてしまいます。克服したいのですが、どうしたらよいでしょうか?(20代・女性)
極度の「あがり症」は治療で改善する可能性があります
大勢の前で発言する際に緊張してしまい、困ってらっしゃるのですね。相談者さんのように、過度に緊張して本来の自分らしさや能力を発揮できずに悩み、精神科へ相談に来られる方は珍しくありません。いわゆる「あがり症」は、その程度に応じて「社交不安症」(社交不安障害)として治療が望ましいケースもあります。
相談者さんは人前で恥をかくような体験がきっかけとなり、同じような状況で緊張を感じるようになったのでしょうか。あるいは、社会的な役割の変化により、他人の目線に対して敏感になってしまったのかもしれませんね。人から注目を浴びる状況で緊張してしまうのは誰しも経験があることですし、その場面を想像して不安に感じるのも自然なことです。
とは言っても、やはりその程度によります。上記のような不安があまりに強いと人の目がひどく気になり、必要以上にご自身の細部や欠点に注意が向いてしまいます。「人前で恥をかいたらどうしよう」という不安が恐怖となり、学校や職場へ行けなくなることもあります。また、自分を責めて、うつ状態に至ってしまうことも少なくありません。
「性格だから治らないだろう」と思い込んでいる方も多いようですが、決してそのようなことはありません。日常生活や社会生活への支障が大きく、相談者さんのように「克服したい」とお考えなのであれば、しっかりと治療することをお勧めします。
治療目標を設定するにあたり、症状の程度や生活への支障の度合いは重要な情報です。まずは我々専門家が詳しくお話をうかがいますので、自覚症状はもちろんのこと、治療そのものへの不安についても共有していただけたらと思います。その上で、必要な薬でサポートしながら精神療法を重ね、不安の軽減や不安と上手く付き合うことを目指して治療を進めていきます。
社交不安症(社交不安障害)は特別なものではなく、適切な治療を続けることで克服できる可能性の高い疾患です。ぜひ、安心して相談いただけたらと思います。
榊原 亙(さかきばら わたる)
精神科医・産業医
榊原産業医パートナーズ株式会社代表、VISION PARTNERメンタルクリニック四谷パートナー医師。複数のスタートアップや中小企業の産業保健活動に携わる。メンタルヘルスや健康経営に関する発信およびコンサルティングを積極的に行っている。
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