多汗症って何?汗っかきとどこが違うの
- 作成:2024/02/20
わきや手のひら・頭や顔など、人よりも多く汗をかいてしまうことに困ったことはありませんか?もし日常生活で気にしてしまう場面があるなら、それは「多汗症」かもしれません。 多汗症は「汗が多く出てしまい日常生活に支障をきたす病気」で、単なる汗っかきとは異なります。ここでは、多汗症がどのような病気になるかについてご紹介します。
この記事の目安時間は6分です
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多汗症
「多汗症」は、局所的に多くの汗をかき、日常生活に支障をきたしている病気です。
汗は人間の体温調節にとって重要な役割をになっています。体温が上昇すると、汗をかきます。その汗が蒸発するとき、気化熱として体から熱を奪います。私たちの体は、このようにして、汗を用いて体温を一定に保っています。
汗は、体温の上昇以外にも、ストレスや精神的緊張、天候や外気温の変化などによってもかきますが、さまざまな理由により、必要以上に汗をかき、日常生活に支障をきたす病気が「多汗症」です。
多汗症のうち、基礎疾患が特にない場合のものを原発性局所多汗症と言いますが、2013年の調査では、日本人の12.8%(わきの下5.75%、手のひら5.33%、頭4.7%、足の裏2.79%)が多汗症だと推測されています。10人に1人以上と聞くと、「思ったより多い」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一方、その中で医療機関に受診した方は6.2%であり、受診しても適切な治療を受けている方は少ないと報告されています。
近年、多汗症には様々な治療方法が登場してきています。もしみなさんが汗の悩みを抱えているなら、1人で悩まず医師に相談されてみるのもよいかもしれません。
汗っかきとどう違うの?
暑いときには誰でも汗をかきますし、人より汗をよくかく、汗っかきの人もいます。
では、汗っかきと多汗症はどこがちがうのでしょうか。
その判断基準は、「日常生活に支障をきたしているかどうか」です。
一般的に汗っかきは「汗を多くかいている状態」であり、多汗症は「汗により日常生活に支障をきたしている状態」であることを指します。
汗により日常生活に支障をきたしている状態とは、例えば、以下のようなものです。
多汗症の可能性がある例
- 暑い日や暑い場所と関係なく汗を大量にかく
- 汗のにおいを人から指摘させたことがある
- わきの下に汗をかきやすく、汗染みが目立つ
- 握手や、本をめくるときなど手の汗が気になる
- 足のにおいや体臭が気になり、人前に出ることをためらう
これらのように、汗が原因で対人関係を気にしたり、他人の目を気にしてしまうとなると、人間関係や仕事といった日常生活に支障をきたしてしまうのではないでしょうか。
多汗症は、早期に適切な治療をすすめていくことで、日常生活にも影響がないよう対策することが可能です。以下のチェックリストで2項目以上あてはまる方は多汗症の可能性があるので、医師に相談してみてはいかがでしょう。
多汗症チェックリスト
- 暑くない日や運動後以外にも汗が大量にみられる
- 体の左右で同じように汗をかく
- 寝ているときは汗をかいていない
- 1週間に1回以上は汗を大量にかくことがある
- 血縁にも多汗症がいる
- 汗により日常生活に支障をきたしている
参考文献
原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版
日本における原発性限局性多汗症の疫学研究と考察:アンケート分析から
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