多汗症にはどんな治療方法があるの?
- 作成:2024/02/20
近年、多汗症には様々な新しい治療選択肢が登場しています。本記事では、汗が多く見られる部位ごとに、どのような治療方法があるのかを紹介します。
この記事の目安時間は6分です
多汗症の治療方法
多汗症の治療は、汗が多くみられる部位によって異なります。
また治療によって保険適用かどうかや、体への影響、負担費用などが異なるため、様々な角度から、どの治療方法を選ぶかを検討する必要があります。
脇の多汗症治療
脇の多汗症治療で最初に用いられる治療は、塗り薬です。塗り薬には、抗コリン外用薬(保険適用)と、塩化アルミニウム単純外用(保険適用外)の2種類があります。
抗コリン外用薬の中にも2種類あります。どちらも1日1回脇に塗る薬ですが、塗り方が異なり、ゲル状のスティックタイプのものと、シートタイプのものがあります。
塩化アルミニウム単純外用は、就寝前に使用し、通常1日1回を目安に効果が出るまで、2〜3週間ほど継続して使います。
これらで改善しない場合、次の治療はボツリヌス毒素の局所注射療法(保険適用)です。脇の下に局所注射すると、1週間程度で発汗量が減り、約6ヶ月間効果が持続します。投与量が少ないと効果があまり見られない場合があるため、重症度にあわせた投与量の調整が必要です。
※ボツリヌス毒素の局所注射は、脇のみ保険適用となっています。
これらのほかに、内服薬治療(保険適用)や医療機器による施術(保険適用外)などもあります。
手のひらの多汗症治療
手のひらの多汗症治療で最初に用いられる治療は、塗り薬と水道水イオントフォレーシス(保険適用)です。
塗り薬は、これまで塩化アルミニウム単純外用(保険適用外)のみでしたが、2023年に抗コリン外用薬(保険適用)も登場しました。いずれも使用方法は、通常1日1回、就寝前に手のひらへ塗ります。
水道水イオントフォレーシス(保険適用)は、手のひらを水道水の入った容器の中に入れ、電流を流す治療法です。1回約20-30分の通電を8〜12回行うことで、汗をかく量が減ります。治療効果を維持するためには、1週間に1〜2回を継続的に実施することがすすめられています。
上記でも症状が改善しない場合は、ボツリヌス毒素の局所注射療法(保険適用外)や内服薬(保険適用)、交感神経ブロック注射(保険適用)、交感神経切断術(保険適用)などを行います。
足の多汗症治療
足の多汗症の治療で最初に用いられる治療は、塗り薬(塩化アルミ二ウム:保険適用外)、もしくは水道水イオントフォレーシス(保険適用)です。
塗り薬は、塩化アルミニウム単純外用(保険適用外)のみで、使用方法は、通常1日1回、就寝前に足のひらへ塗ります。
水道水イオントフォレーシス(保険適用)は、足の裏を水道水の入った容器の中に入れ、電流を流す治療法です。1回約20-30分の通電を8〜12回行うことで、汗をかく量が減ります。治療効果を維持するためには、1週間に1〜2回を継続的に実施することがすすめられています。
上記で症状を改善しない場合、ボツリヌス毒素の局所注射療法(保険適用外)や内服薬治療(保険適用)を行います。
顔の多汗症治療
顔の多汗症治療は、ぬり薬である塩化アルミニウム単純外用(保険適用外)から始め、症状が改善しない場合、次に内服の抗コリン薬(保険適用)へと進めていきます。
それでも症状が改善しない場合は、ボツリヌス毒素の局所注射療法(保険適用外)や、交感神経ブロック(保険適用)、交感神経切断術(保険適用)を行います。
多汗症の治療方法は部位によって異なります。詳しく知りたい方は、原発性局所多汗症診療ガイドラインをご覧ください。
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