そのダイエット、本当に必要? 事前に確認してほしい「健康的なダイエットの基本」5つ
- 作成:2021/09/24
飽食といわれる現代、肥満やメタボリックシンドロームなどでダイエットが必要な人がいる反面、不健康な痩せが問題になっています。ダイエットは年々低年齢化するとともに、女性に多かった痩せ願望でのダイエットが男性にも増えています。しかし、自己流のダイエットは危険なこともありますので、正しい知識を持って取り組みたいものです。
この記事の目安時間は3分です
ダイエットが必要か確認する
ある調査※によると、「他人から容姿について何かいわれた」「他人がダイエットに挑戦していると聞いて」「憧れの人のようになりたい」などがダイエットの動機として多くあげられています。どれもが他人との比較で、自分の体型について顧みていない傾向があります。ダイエットを考えたら一拍おいて、今現在、ダイエットが必要かどうか調べることから始めてください。
その目安となるのが下表のBMIです。
BMIの算出方法は、【体重(kg)÷身長(m)の2乗】。
たとえば、身長160㎝で体重55kgのAさんと、身長150㎝で体重60kgのBさんがいたとします。
Aさんは、55÷(1.6×1.6)=21.49(四捨五入)
Bさんは、60÷(1.5×1.5)=26.67(四捨五入)
結果、Aさんは太っていないのでダイエットの必要はなし。Bさんは太り気味なのでダイエットが必要となるわけです。
※「青年期女子のダイエット経験と食意識の関連」より
いきすぎたダイエットが起こす摂食障害
色々な方法が紹介されているダイエットですが、稀にダイエットを行う中で摂食障害を起こす人がいます。体重や体型の捉え方から心と体の両面に影響が及び、食事量や食べ方などに異常が現れるのです。摂食障害で病院を受診する人は1年で21万人、病院にかからない潜在患者も多数いるとされています。全体の90%は女性ですが、誰もがかかる可能性のある病気です。
代表的なものとして神経性過食症・過食性障害、神経性痩せ症があり、自分ではコントロールできずに食べすぎる、食べ物を前にしても食べられないなどの症状があります。一般的に、次のような症状が現れたら要注意です。自分ではわかりにくいこともあるので、家族や友人が注意して見ることも必要かもしれません。
①食べることについて
◉絶食する・食欲がない
◉食事量やカロリー、糖質などを極端に制限する
◉大量に食べたあと、嘔吐したり下剤を使う
②体重・体型について
◉体重・体型が不満
◉周囲は痩せているというが、自分では太っていると思う
◉極度の痩せ願望がある
◉体重が増えることが怖い
③心の状態について
◉自尊心が低いと思う
◉精神的ストレスがある
◉気分の起伏が激しい
◉周囲は病気というが健康だと思う
◉孤独を感じる
◉性欲はない
④体の状態について
◉極端な体重の増減がある
◉月経が止まる、または月経不順
◉だるい、疲れる、胃がもたれるなど様々な症状がある
◉睡眠障害がある
摂食障害は治療が複雑なため、専門医にかからないと自分では治すことは難しいので、ダイエットは適正に行いたいものです。
健康的なダイエットをするために
肥満やメタボリックシンドロームなど、生活習慣病を抱えている場合は医師や栄養士の指導があるため、適切なダイエット法がわかります。しかし、そうでない場合には巷に溢れる多くの情報から、信用がおけるものかどうか見極めなければなりません。そうでないと、失敗からリバウンドを繰り返すダイエット難民に陥ってしまう可能性があります。
たとえば、現在主流といえる糖質制限のダイエット。これを自己流で制限ではなく、ストップしてしまうとよくありません。糖質は、たんぱく質、脂質と並ぶ3大栄養素です。主にエネルギーとなる糖質ですから、摂らなければ体重は減るかもしれませんが、エネルギー不足に陥ります。その結果、倒れてしまったり、倦怠感を覚え体に不調が現れます。
健康のためによいダイエットの基本は次の5つ。
①特定の食品ばかり食べる、特定の食品だけを抜く、をしない
②主食・主菜・副菜でバランスよく食べ、お菓子やアルコールを栄養としない
③調味料や調理の仕方を工夫する(調理は揚げる→焼く→蒸すの順でカロリーカットに)
④1日8000歩を目安に歩く
⑤体重の3〜5%減少程度に収める
ダイエットに失敗し、新しいダイエット法に次々チャレンジする人も多くいますが、まずは基本に立ち返るのが痩せるための近道です。
厚生労働省
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-006.html)
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-005.html)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html)
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-009.html)
農林水産省
(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics1_04.html)
日本医師会
(https://www.med.or.jp/forest/health/eat/01.html)
一般社団法人日本小児科心身医学会
(https://www.jisinsin.jp/general/detail/detail_15/)
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