うちの凸凹−外科医と発達障害の3人姉弟―発達障害の最難関?「かんしゃく」の対応。外科医の父親が見つけた「一番よく効く方法」は…

  • 作成:2021/11/13

皆さん毎日お疲れ様です。外科医のちっちです。 発達障害はいろいろなタイプがあり、本当に千差万別ですね。そして、その中で家族を悩ませている困りごとのトップは、癇癪(かんしゃく)ではないでしょうか。今回はかんしゃくってなんだろう、 かんしゃくを起こしている時の親の対応の仕方についてお話ししたいと思います。

外科医ちっち 監修
 
外科医ちっち 先生

この記事の目安時間は3分です

うちの凸凹−外科医と発達障害の3人姉弟―発達障害の最難関?「かんしゃく」の対応。外科医の父親が見つけた「一番よく効く方法」は…

かんしゃくの対応、基本の3ポイント

かんしゃくとは、怒りや不安を感じた時、思い通りにならないモヤモヤした気持ちを言葉にすることができず、行動で表すことです。主な行動としては下記のようなものです。

  • 大きな声で泣く
  • 叫ぶ
  • 自分や他人を叩く
  • 暴れる

では実際にかんしゃくを起してしまった場合、どういった対応が良いのでしょうか。ポイントは3つあります。順番に説明していきましょう。

ポイント① 周囲の人に危険が及ばないか確認する

周囲に危険物があると、子どもがそれを投げ、周囲の人に当たってケガをさせてしまう可能性があります。たとえば、はさみやコップは投げると刺さったり、割れたりして凶器になります。

ポイント② とにかく、待つ

かんしゃくを起しているとき、本人には周囲の言葉や景色などはまったく耳や目に入っていません。ケガをする危険性が無ければ、周囲に人がいようとも、大声で泣いていても気にしません。あえていうならば、抱きしめるくらいでしょうか。

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ポイント③ 気持ちを聞く

体力がある子でも、30分もあれば暴れることに力を使いパワーダウンしてきます。疲れて落ち着いたら、ようやく話ができる状態になります。そうなってから聞いてみましょう。
「あなたはどうしたかったの?」
そして、どうしたらよかったかを本人に考えさせます。
「◯◯が嫌だったんだね。じゃあ、どうしたら良かったと思う?」

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ここで気をつけたいのは、おとなが思っている正解の行動を言ってしまってはいけません。
どんなに落ち着いている時に話をしても、「本人が納得」していないと次もまた同じことになります。もちろん、一度や二度の対話では改善しないので、5年後10年後に振り返った時に、改善していればいいくらいの気持ちでいることも親のメンタルのためには必要です。

親がイラついたら「CCQ」を思い出そう

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原則としては「怒らない」ことと、「落ち着くまで待つ」ことです。そうは言っても我が家もそうですが、無理な時が多いでものです。
困ってかんしゃくを起こした手のつけられない発達障害の子どもに怒っても、パニックを起こしているので、こちらの言っていることは頭に入りません。そればかりか、大きな声(特に男性の声が聞き取れない子どもが多い)、怒られた恐怖のみが記憶に残ってしまいます。
怒られたことでさらにパニックがひどくなり、また同じことをする、もっとひどいことをしてしまうことも多のです。

伝える際のキーワードは『CCQ』。これらを守らないといけません。
C : calm 落ち着いて
C : close 近くで
Q : quiet 静かに

「タイムイン」と「タイムアウト」を使い分ける

あわせて、伝えるためにはパニックをしずめ、落ち着かせることが大切です。
さらに、「パニックになれば親は言うことを聞く」と認識させないよう、親が近づき、「本人の言い分」をしっかり聞くタイムイン、どうしても落ち着かない場合にはタイムアウトを試します。
本人が落ち着くまで刺激の少ない部屋に連れていき、落ち着いて話せるようになるまで、なるべく相手にしないことです。
注意していただきたいのは、お仕置きが目的ではないので、狭いところや暗いところに閉じ込めるのではなく、親の目が届き、本人が嫌ではないところにすることが大切です。

最後に我が家で一番よく効いたかんしゃくの対応を紹介します。
それは「恥ずかしさを捨てて一緒にパニックになってみる」こと。

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子どもがかんしゃくを起こし、わけがわからない状態になったら、子どもよりももっと激しく、焦って怒って暴れてみると、子どもは恥ずかしくなるのか、びっくりするのか、静かになってくれます。人の視線が気にならない方にオススメです。
次回は「落ち着いているときにこそやるべき、かんしゃくへの対策」です。

外科医師。妻(看護師はっは)と発達障害3児の育児中。記事中のイラストは、看護師はっはが担当。著書『発達障害の子を持つ親の心が楽になる本』(SBクリエイティブ)が2024年9月発刊予定。
・ブログ:「うちの凸凹―外科医の父と看護師の母と発達障害の3姉弟
・ブログ:「発達障害の生活は試行錯誤で楽しくなる
・note:https://note.com/titti2020/
・Twitter:@surgeontitti

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