【アンケート調査】夜寝付けず、肩こり、不安感、無気力…。みんな、更年期にどんな症状が出てる?
- 作成:2025/01/17
更年期に関連する症状は100種類近くあるといわれています。そのため、ずっと体や心の調子がよくないけど原因がよくわからず我慢している、といったことが、実は更年期のせいだったということもあるかもしれません。 今回、AskDoctors会員の女性205名にアンケートを実施。更年期症状の現れ方や対処法、治療の効果などをお聞きしました。今悩んでいる症状も、ほかの人の対策を知ることで改善への糸口が見つかるかもしれません。
この記事の目安時間は6分です
更年期と聞いて連想する症状は、ホットフラッシュ(急なほてりや発汗)やイライラ、不安感などではないでしょうか。しかし、更年期に現れる症状はそれだけではなく、100種類近くあるといわれています。これらの認知度、発現状況、対処方法などの実態をアンケートで伺いました。
【アンケート概要】
対象:AskDoctors会員の女性 205名
期間:2024/12/19~2024/12/23
背中の痛み、頭痛、関節痛…これも更年期症状?
まず、更年期に現れる各症状がどれくらい知られているかを伺いました。
その結果、「顔や上半身がほてる」「汗をかきやすい」については、それぞれ71.7%、70.7%と7割近い方がご存知でした。一方、「背中や腰が痛む」は38.5%、「頭が重かったり、頭痛がよくする」は42.9%で、症状によって認知度の差があることが伺えます。そのため、「更年期症状はない」と思っている方でも、実は、更年期の症状がでている可能性が考えられます。実際、今回のアンケートでも、「上の設問での各症状について、現在該当している症状はありますか?」と尋ねた結果、「自分に更年期の症状が現れているかもしれないと思ったことはありますか?」という質問に「ない」と回答した7名中5名、「覚えていない・わからない」と回答した6名中5名が「ひとつ以上の症状」があると回答していました(40~60歳女性の回答のみ)。
更年期には多様な症状が出ることを頭に置いておくことで、不調の原因に早く気付けるようになるかもしれません。
Q各症状について、ご存知だったものをすべて教えてください(n=205)
いくつもの更年期症状が現れ、QOL(生活の質)が損われている
では、更年期に何らかの症状が現れる方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
「各症状について、現在該当している症状はありますか?」と尋ねた結果、「ひとつ以上の症状がある」が約94%と、ほとんどの方がなんらかの症状を経験していることが伺えました。(以下、40~60歳の回答のみ)
Q 上の設問での各症状について、現在該当している症状はありますか?(n=174)
次に、症状の程度を「強(毎日のように生活に支障がある)」「中(ときどき生活に支障がある)」「弱(症状はあるが生活に支障はない)」「症状がない」の4段階で尋ねたところ、以下のような結果となりました(複数回答)。
Q各症状について、当てはまる強さを教えてください(n=163)
「強(毎日のように生活に支障がある)」がもっとも多い症状は「夜寝付けない/目を覚ましやすい」(22.7%)で、続いて「首や肩がこる」(19.6%)、「手足の節々(関節)の痛み」(19.6%)でした。
「中(ときどき生活に支障がある)」の症状は「肩や首がこる」(41.7%)がもっとも多く、次が「夜寝付けない/目を覚ましやすい」(32.5%)、「いつも不安感がある」(31.9%)でした。
また、「弱(症状はあるが生活に支障はない)」の症状は「無気力で疲れやすい」(36.8%)、「胸がどきどきする」(36.8%)が上位にあがりました。
アンケートでもよく知られていた「汗をかきやすい」「顔や上半身がほてる」より生活に支障のある症状が多いことから、更年期には多様な症状が出ることを認識し、適切に対処することで、日々の生活の質をあげることにつながるのではないでしょうか。
症状の自覚は40代後半がピーク。より早期から感じられる症状も
更年期症状はすべて同時に始まるわけではありません。これも症状に気がつきにくい原因のひとつと考えられます。
いつ頃どのような症状が出るかの参考のため、各症状をいつ頃に自覚したかを伺ってみました(複数回答)。
Q 各症状について、いつ頃に自覚したかを教えてください (n=163)
最初に自覚症状がでるのは、「肩や首がこる」で、40代未満からが31.3%、40代前半(40~44歳)からが20.2%、40代後半(45~49歳)からが27.0%で、78.5%が40代までに自覚症状がありました。また、「腰や手足が冷える」「頭が重かったり、頭痛がよくする」といった身体的な症状も比較的40代前半くらいから自覚する人が比較的多い傾向にありました。
そのほかの症状は40代後半から自覚し始めることが多いようです。例えば、「夜寝付けない/目を覚ましやすい」「手足の節々(関節)の痛みがある」のほか、「いつも不安感がある/ささいなことが気になる」「無気力で疲れやすい」「くよくよし、憂鬱なことが多い」「興奮・イライラすることが多い」といった、精神的な症状があてはまります。また、「汗をかきやすい」や「顔や上半身がほてる」といったいわゆるホットフラッシュの症状を自覚する方がふえるのもこの年代です。
50代前半では「顔や上半身がほてる」、「手足の節々(関節)の痛みがある」といった症状を自覚し始める人がピークに達します。また、この年代から「胸がどきどきする」「めまいがある」といった症状を感じ始める人が多くなるようです。
自覚し始める症状がもっとも多いのは40代後半、ついで50代前半でしたが、症状によってはより早い年代でも感じている方もいらっしゃるようです。もしまだ「更年期ではない」と思っても、気になる症状があれば医師に相談してみると、より生活を楽にできる方法がみつかるかもしれません。
受診した人の9割が、症状改善を実感
更年期症状にどのように対処しているのかも伺いました。更年期症状の治療は主に婦人科(産婦人科)で受けることができますが、「更年期症状の治療で通院したことはありますか?」と伺ったところ、「現在、通院中」と「過去に通院していた」を合わせた受診者が53.8%。「通院したことはない」未受診者は46.2%と、約半数の方が一度は通院したことがあるという回答でした
対処法は、未受診者では「食事に気をつける」(39.2%)、「サプリメント」(35.4%)、「運動をするようにしている」(34.2%)の順でした。また、「特に対処していない」も30.4%いらっしゃいました(複数回答)。
一方、通院したことがある方では、「漢方薬」(73.8%)が最も多く、次いで「サプリメント」(45.2%)、「ホルモン補充療法」(34.5%)の順で、「特に対処していない」は4.8%でした(複数回答)。
Q 更年期症状に対し、どのように対処していますか?(未受診者)(n=79)
Q 更年期症状に対し、どのように対処していますか?(受診者)(n=84)
受診している方と、未受診の方では対処法が大きく違うようです。
では、その結果違いはあるのでしょうか。
現状の対応で、更年期の症状がどの程度改善されたかを尋ねた結果、未受診でも「症状が気にならないくらいに改善した」「我慢できる程度まで改善した」の合計が57.7%と半数を超えていた一方、「ほぼ改善されていない」も32.7%いらっしゃいました。一方、受診者では、「症状が気にならないくらいに改善した」「我慢できる程度まで改善した」の合計が59.5%で大きく違いはなかったものの、「ほぼ改善されていない」は11.9%と、約9割は症状の改善を感じているようです。
Q 現状の対応で、更年期の症状はどの程度改善されましたか?(未受診者)(n=53)
Q 現状の対応で、更年期の症状はどの程度改善されましたか?(受診者)(n=84)
受診者の月あたりの治療費は1000~5000円が中心
更年期症状の治療にかかっている1ヶ月あたりの費用についても伺ってみました。未受診者は費用がかかる治療をしていない方が圧倒的に多く、費用がかかる場合は2000円未満~10000円以上まで回答がばらつく結果となりました。一方、受診者が治療にかかった1ヶ月あたりの費用は「5000円未満」(30.4%)、「3000円未満」(29.1%)が多く、次が「2000円未満」(15.2%)で、5000円までで3/4程度を締めました。
Q 更年期の症状の治療で、実際にかかった1ヶ月あたりの平均費用を教えて下さい(未受診者)(n=79)
Q 更年期の症状の治療で、実際にかかった1ヶ月あたりの平均費用を教えて下さい(受診者)(n=84)
まとめ
今回のアンケートから、あまり認識されていない更年期症状があること、自覚症状は40代後半から多くなってくる一方、「肩や首がこる」「腰や手足が冷える」等より若いうちから現れる症状もあることが伺えました。また、婦人科を受診していない人は食事や運動などに気をつけている一方、特に対処していない人も少なくありませんでした。受診している人は漢方薬やホルモン補充療法なども含めた多様な治療を受けており、約9割は症状が改善されていました。
いつ頃からどのような症状が出るのかを知り、気になる不調があれば、一度婦人科に相談してみることが、更年期をより快適にすごすことにつながるかもしれません。
関連するQ&A
関連する記事
このトピック・症状に関連する、実際の医師相談事例はこちら
病気・症状名から記事を探す
- あ行
- か行
- さ行
-
- 災害
- 再放送
- 子宮外妊娠
- 子宮筋腫
- 子宮頸がん
- 子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん
- 子宮頸がん検診・検査
- 子宮頸がんの症状
- 子宮頸がんのリスク・予防
- 子宮内膜症
- 脂肪肝
- 手術
- 出産後の症状・悩み
- 出産準備・入院
- 食事・授乳・ミルク
- 食欲
- 心臓病
- 自閉症
- 女性
- 自律神経失調症
- 腎炎・腎盂炎
- じんましん(蕁麻疹)
- 膵臓がん
- 睡眠
- 髄膜炎
- 頭痛薬、副作用
- 性器の異常・痛み
- 性器ヘルペス
- 性交痛
- 成長(身長・体重など)
- 性病検査
- 性欲
- 生理痛(生理・月経の痛み)
- 生理と薬(ピルなど)
- 生理不順・遅れ(月経不順)
- 摂食障害
- 切迫早産
- 切迫流産
- セミナー・動画
- 前立腺
- その他
- その他アルコール・薬物依存の悩み
- その他胃の症状・悩み
- その他うつの病気・症状
- その他エイズ・HIVの悩み
- その他肝臓の病気
- その他外傷・怪我・やけどの悩み
- その他心の病気の悩み
- その他子宮頸がんの悩み
- その他子宮体がんの悩み
- その他子宮の病気・症状
- その他出産に関する悩み
- その他腫瘍の悩み
- その他消化器の症状・悩み
- その他腎臓の病気・症状
- その他生理の悩み・症状
- その他臓器の病気・症状
- その他皮膚の病気・症状
- その他卵巣がんの悩み
- その他卵巣の病気
- その他流産の症状・悩み
- た行
- な行
- は行
- ま行
- や行
- ら行
協力医師紹介
アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。
記事・セミナーの協力医師
-
白月 遼 先生
患者目線のクリニック
-
森戸 やすみ 先生
どうかん山こどもクリニック
-
法村 尚子 先生
高松赤十字病院
-
横山 啓太郎 先生
慈恵医大晴海トリトンクリニック
-
堤 多可弘 先生
VISION PARTNERメンタルクリニック四谷
-
平野井 啓一 先生
株式会社メディカル・マジック・ジャパン、平野井労働衛生コンサルタント事務所
Q&Aの協力医師
内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。